NPO 法人 Science Station は、2004 年の 3 月、自然科学の社会への普及を目的に、東京大学を中心とした学生と教官有志によって誕生しました。
科学や技術の分野で若者の理科離れが相当深刻であることが新聞などの報道で広く認識されるようになりましたが、国際調査によりますと、理科や数学が好きと答えた日本の中高生の割合は国際平均に比べて格段に低く、先進国の中では最低の水準になっています。
大学受験に備えるため、早くから生徒は理系と文系に分かれ、必ずしも理科が嫌いというわけでなくても、数学に苦手意識があると自分は文系と決めてしまう例も多く聞かされます。Science Station は科学を楽しいものと体得できる生徒を一人でも増やすことで、受験のハードルを越えて理系を目指してくれるようにできればと考えています。それには教師が上段から教えるよりは科学好きな学生が熱い思いを込めた授業をするほうがはるかに効果的です。
「自然」に対する好奇心や不思議と思う気持ちがあってこそ、はじめてその仕組みが理解でき、それによって今度は「自然」に働きかける手段としての科学技術も進歩するものです。今日の社会基盤の多くは科学技術によってもたらされていることを思えば、私たちが享受している豊かな社会は科学が築き上げたといっても過言ではありません。
そのような考えから、Science Station は科学に興味を持つ中高生や学生に対してその興味を更に深め、また、広く市民に対して科学の社会的理解を深めるために活動します。特に、学生会員が学校に出向いてセミナーを行うなど、積極的に学外に出て行き、継続した活動を通じて交流の輪を広げ、科学の普及に貢献したいと考えています。
スタッフとなった研究者を志す学生会員は、この社会教育活動を通じて様々なことを体験していくことでしょう。 その結果、科学を知識として狭く捉えるのではなく、広い視野を持った研究者に成長していくことを期待しています。
発足して間もない組織ですが、今後どのように展開して行くのか楽しみに思っています。皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。