銀河学校の魅力は人それぞれ思うところはいろいろあると思いますが、私の思うところは大きく二つ、「プロの機材を実際に使って研究ができる」ことと、「すごい人たちに出会える」ことです。
高校生の時点ではシュミットを使わせてもらうということがどれだけのことなのかはわかっていないとは思いますが、それでも「自分でシュミットを使って観測する」ということは自分自身ものすごく感動したし、高校生たちも同じようなことを感じているように見えました。逆に高校生の大部分は「観測=実際に望遠鏡をのぞく」というイメージを持っていると思うので、実際の観測を体験してがっかりする人もいますが。
また、研究のプロセスを体験できるというのも大きな魅力だと思います。銀河や宇宙の大きさを求めたり…というようなことはふつう高校ではやらないことだと思うし、そんなこと自分でできるのかと思っている人もいるでしょう。なので、必ずしも専門的な知識や技術を使わずして、自分たちのできる範囲でもそんなことができるという体験は感動的だと思うし、実際自分も感動した覚えがあります。また答えを見つけるための方法を自分たちで考えていくということは高校ではそんなにやらないことで、しかし研究の本質です。それを高校時代に体験することで、研究の本当の楽しさや難しさを感じることができると思います。
高校生たちは最初はあまり自分たちで考えようとはせずにスタッフに答えを聞いてくる傾向がありますが、最初はスタッフに頼ってばかりだった高校生たちも、実習が進むにつれてどんどん自主的にやっていくようになります。そういう光景を見たときがTAをやっていて一番うれしいときです。
もうひとつ、「すごい人たちに出会える」ということについてですが、この「すごい人たち」が指しているのは観測所の先生方だけではなく、参加している高校生、最近ではTAの学生などさまざまです。高校生にとっては、天文学者と会って話せることはうれしいことだと思うし、またそれ以上に、自分と同年代の、同じ分野に興味を持つ人との出会いというのは大きなものです。実際、私は銀河学校で出会った人たちにたくさんの刺激を受けてきました。
TAとして参加する上でも、出会いというのは大きな魅力です。高校生を見ていると初心に帰れる部分もあるし、刺激を受ける部分もたくさんあります。観測所のスタッフの方や院生の人などに比べれば知識も指導経験もないですが、高校生にとっての身近な目標的存在であれたらいいなと思います。