天王寺高校出前授業

天王寺高校出前授業

日時2005/7/25
場所大阪府立天王寺高校
対象高校2年生理系約80名
担当者風間,森

講義内容

阪神淡路大震災から10年。地震予知はどこまで進歩したのでしょうか?

地球表面を覆うプレートの境界では、「プレート内陸型地震」「プレート境界型地震」「火山噴火」という3つの異なる現象が発生します。これらの現象を予知するには、それぞれの特徴に応じた観測を行うことが重要です。例えば地震の揺れを計測する「地震計」、ゆっくりとした変動を捕える「GPS」、10桁の精度で重力を測る「重力計」などが用いられています。

この10年で、地震計の観測網「Hi-net」が整備され、プレート内陸型地震の揺れを迅速に捕えることが可能になりました。GPSの観測ネットワーク「GEONET」は、プレート境界地震の予兆を捕えるのに十分な設備です。また重力計によってマグマの移動をキャッチし、火山噴火の予知に成功した研究例もあります。 このように、地震・火山噴火予知の研究は、少しずつではありますが、日々着実に進歩しているのです。

講義・質疑応答の様子

今回の授業では、地震予知の現状、および地震観測に用いられる観測機器についての講義を行いました。90分という長時間の講義にもかかわらず、天王寺高校の皆さんは熱心にメモを取りながら授業に臨んでいました。

地震計の内部を見るコーナーでは、地震計の構造について説明するとともに、実際の地震計とオシロスコープを用いて地震計の振動を観察しました。画面に映し出されたシグナルを見て驚く人や、地震計の構造について興味深げに質問してくる人たちもいました。

また、GPSの仕組みについて質問を投げかけると、周りの人と相談しながら答えを考えている姿も見受けられました。予想外の答えに、みなさん驚いている様子でした。 今回の講義では、「地震予知は着実に進化している」という現状をお伝えしました。この授業を機に、1人でも多くの人が地震学に興味を持っていただければ、と思っています。

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