第 7 回日本天文学会ジュニアセッション

第 7 回日本天文学会ジュニアセッション

日時2005/3/28 - 30
場所明星大学
対象銀河学校 2004 に参加した生徒 9 名
担当者宮田、三戸、磯貝、森、丸山、内海、金井

銀河学校参加者のジュニアセッション発表をサポート

2004年3月行われた銀河学校2004では、参加者が3つのグループにわかれ、 「星の温度とスペクトルの関係」「天の川銀河の構造」「銀河までの 距離測定」というテーマに取り組みました。ここで得られた成果は 実際の研究と言える程高度なものだったので、これをさらに発展させ深めた内容を、今年の日本天文学会春季年会(2005.3.28-30 @明星大学) ジュニアセッションで発表する事となりました。

サイエンスステーションでは、このジュニアセッションで発表を行う 銀河学校卒業生のサポートを行いました。高校生が学会での発表を行うに あたって大きな問題となるのは、旅費の負担の問題です。銀河学校参加者は 全国からやってくるので、学会やその直前の準備会へ参加するにも 旅費や滞在費がかかってしまいます。経済的な理由で学会への参加を 断念するような事が無いよう、サイエンスステーションでは昨年に引き続き、 ジュニアセッション参加者への旅費補助を行い、9名の参加者に旅費および 宿泊費の一部を補助しました。

また、学会直前の週末には参加者が集まり、発表の準備と練習が行われました。 この準備会にもサイエンスステーションのメンバーが参加し、発表内容を 深めたり、わかりやすい発表を行う手助けをしました。

発表に向けた準備の様子
発表に向けた準備の様子

学会での発表では

「スペクトルによる恒星温度の推定」

「スペクトルによる恒星温度の推定」 星のスペクトルを使って双子座にある星の温度を測定しました。恒星の色が スペクトルによって表現できること、その色=スペクトルは恒星の温度と 関係することなどをわかりやすく説明し、実際に双子座の星々で温度を 測定した結果を発表しました。

プロの天文学者達を前に、発表にも熱が入ります。
プロの天文学者達を前に、発表にも熱が入ります。

「天の川は何でできているのか」

天の川にある星を300個以上測定し、それをスペクトル分類することで、 天の川が多種多様な星からできている事を確認しました。さらに 各星の明るさから距離を推定し、天の川の星密度を精密に求めました。 得られたデータでは、予想に反して、我々の銀河の腕(星が集まっている部分)で 星の集中が見られませんでした。議論の結果、これは星が本当に無いのではなく、 宇宙空間のチリが星の光を吸収している影響であることを突き止めました。

ジュニアセッションでの発表
ジュニアセッションでの発表

「分光観測による銀河の後退速度測定」

銀河を観測したときに見られる水素の輝線を正確に測定することで、銀河の 移動速度が求められます。これに宇宙膨張の式(ハップルの法則)を適用すれば 銀河までの距離を計測する事ができます。これを利用して、8つの銀河について 銀河までの距離をはかり、その3次元的な分布を調べました。もっとも遠いものでは、約480Mpc(16億光年)の銀河まで距離を測定することができました。

 ポスター発表では他の高校生たちとの議論に盛り上がります。
ポスター発表では他の高校生たちとの議論に盛り上がります。

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