日時 | 2005/9/23 - 24 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県屋代高等学校、高校生計26名 |
担当者 | 三戸、藤貫、二河 |
今回の「星の教室」には、長野県屋代高等学校の生徒さんが参加されました。
1日目は3つの実習を通して、宇宙の年齢を求めることにチャレンジしました。実習1では視覚を使って距離を求め、実習2では実習1の視覚を使って距離を求める方法を「銀河までの距離」を求める場合に応用し、その距離を計算しました。そして、いよいよ実習3では「宇宙年齢」を求めました。
実習1では簡単な数式を解いて後で用いる公式を導き、いざ実測!となったのですが、机上での計算が実測したデータと結び付き、結果を求めていくということに最初は戸惑いがあったようです。ですが、求めたデータをグラフにプロットして意味を見い出すと、生徒の皆さんも研究のおもしろさを実感し始めたようでした。実習1 ではおとなしかった生徒の皆さんが、実習2の際には各班で議論も盛んでした。実習3ではいよいよ宇宙の年齢を求めるわけですが、どうして自分たちがこれまでに求めてきた値から宇宙の年齢が導けるのかも考えなければいけません。そうすると、「宇宙の始まりって何?」というスケールの大きな疑問も浮上し、議論は夜中まで白熱しました。宇宙の年齢を最初に求めたハッブルと同じような昂奮を、高校生の皆さんも体験したのではないでしょうか。夜も遅くなってからですが、曇っていた空が晴れ、議論の合間の息抜に観望会も実施されました。
2日目は、1日目の内容をまとめ、班ごとに10分間の発表を行ないました。
各班でどのようにして銀河までの距離を求め、宇宙年齢の値を導いたかについて10分という短い時間にまとめるのに苦労していたようです。発表でどこを主張するかということにこだわりを持った班もあり、見ていても楽しい素敵なプレゼンテーションばかりでした。また、質疑応答も大変盛んで、学生同士が白板を使って議論するという研究会さながらな様子も見られました。発表後には木曽観測所長から物理の面白さに触れた2日間だったのではないかというコメントをもらいました。あともう少し知識として物理学、数学を学べば、宇宙の年齢を求める時に、高校生の皆さんの頭の中の考えをまとめ、アイデアをうまく表現できたのではないかと思います。日ごろは考えもしない壮大なテーマにチャレンジし、それが高校で学ぶ物理学、数学につながり、学問が実際に生きてくる面白さを垣間見た2日間だったのではないかと思います。