カフェの様子

第 5 回川崎図書館サイエンスカフェ

日時2006/12/16
場所神奈川県立川崎図書館
対象20名程度
担当者藤貫

テーマ:「太陽系外に惑星を探せ!」

講師:藤原英明氏(東京大学大学院理学系研究科天文学専攻)

「第二の地球」はあるのか?宇宙のどこかに、私たち以外の生命は存在するのか?そういった太古からの大問題を解くための"第ゼロ歩"として、「太陽系外の惑星探し」があります。近年太陽系以外にも惑星がぞくぞくと発見されてきました。この講座では、太陽系外の惑星探しの方法やその最新成果を紹介しながら、宇宙生命の存在可能性について、みなさんとともに考えていきます。

講師の藤原さん
講師の藤原さん

当日の様子

「太陽系外に惑星を探せ!」と題されたお話は、藤原氏の生い立ち、天文学に興味を持ったきっかけなど自己紹介から始まり、大学院でなぜ・どのような研究をしているのかと天文学の話題に移っていきます。まず『この宇宙はどのような構造をしているのだろう?』と国立天文台による宇宙シミュレータ"Mitaka"で地球から太陽系、銀河系、そして宇宙の大規模構造…スケールを変えて動画で宇宙の様子に迫ります。その後に問いかけられた『宇宙の中で、他の生命がいると思うか?』という質問には、会場の大部分の人が挙手したのが印象的でした。そして宇宙生命を考える上で一つの例として、「通信ができるほどの文明社会を持つ星の数」を求めるドレークの式が紹介されます。答えの無い議論に暫く会場が沸いた後、実際の方法として系外惑星探査の方法と最後にその結果が紹介されました。先にドレークの式の紹介があっただけに、惑星の個数については皆興味を持っている様子でした。

カフェの様子
カフェの様子

カフェは、開始の午後1時から4時まで、藤原氏のお話を中心に、会場からの質問とその返答という形で話題が絶え間なく続き、非常に活気のある雰囲気でした。気になったことを講義の途中何時でも質問してよいとする形式は発言がしやすいのか、途中途中で会場内の多くの人が自分の疑問をぶつけていました。質問は、今回のお話に関するものは勿論、その他でも惑星の話題に絡めて、今年話題になった冥王星が惑星から外された理由、またこれまで本を読んでいて疑問に思ったことなど天文に関する様々なものが寄せられました。

質問を受けた内容

  • 天文までの距離を測るにはどうしているのか
  • 銀河系の中心はどうなっているのか
  • 宇宙にあるガスの成分は?
  • 恒星と惑星の厳密な定義は?
  • 系外惑星探査で惑星を探す方法として星の揺らぎから探る方法があるが、 周期はどれくらいか?また、 太陽はどのくらい揺さぶられているのか?
  • 一番近い恒星の惑星から地球を見つけることは出来るのか
  • 惑星の名前はどうやってつけている?

今回のカフェでは会場からの質問が次から次になされ、常に活気付いていたのがとにかく印象的でした。これは参加者の方が熱心だったことに加え、お話の端々で、天体のカラー写真や宇宙シミュレーション動画、また説明のため分かりやすい比喩を用いるなど飽きずに聞ける工夫が凝らされていたことも大きいのでは、と思います。太陽系外惑星、地球外生命、など普段なかなか考える機会の無いと思われる話題で、多くの方々とこれだけ熱く盛り上がれたのはとても貴重な経験でした。

カフェの様子
カフェの様子

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