日時 | 2006/9/22 14:10-15:50 |
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場所 | 島根県立松江北高校 |
対象 | 理数科2年生 計168名 |
担当者 | 風間、宮田、米田、大谷、丸山、橋本、藤貫、岡島、藤原 |
島根県立松江北高校の「総合学習」にお招きいただき、5つ講座を開講しました。どの講座でも、高校生は普段なかなか触れることの出来ない最新の話題や実験を扱ったため、受講した高校生達は十分に刺激され、彼/彼女らの好奇心には火がついたようです。
近年、私たちの住む太陽系以外にも惑星が続々と発見されています。その数、2006年9月21日の時点で206個。さらに、見つかった惑星系はそれぞれ個性を持つということも分かってきました。この授業では、太陽系外の惑星探しの方法やその最新成果を紹介しながら、私達の住む太陽系がどのように作られ、今に至るのかに迫りました。
本授業では、最新の地震学の話題を紹介しました。2006年8月から運用が開始された緊急地震速報のリアルタイム監視画面をご覧いただき、地震動予知の最新技術を実感してもらいました。また実習では、震源分布の立体模型を製作し、どのような場所で地震が起こっているのかを観察しました。授業に参加した皆さんは、日本のあらゆる場所で地震が起こっていることに驚いた様子でした。
本授業では宇宙を見る技術とその進歩、成果についてお話をしました。
まず天文学と技術の関係について概説し、観測技術の開発も天文学の大きなテーマであることを理解してもらいました。その後、参加者が思っている宇宙に対する疑問を挙げてもらい、それを元にどのような観測をすれば良いか、そのために現代天文学はどういう技術を使っているか、を述べました。具体的には、大口径望遠鏡、赤外観測、補償光学の解説を行いました。赤外線観測については赤外線カメラを用いたデモを行い、その様子を体感的に理解してもらえたと思います。
宇宙の話のわりには技術的な解説が多く、参加者が期待していたものとすこしずれがあったかもしれません。しかし、現代天文学の一面を垣間見て貰えたのは良かったと思います。参加者からは「こんなに多様な技術が天体観測に使われていて驚いた」などの声が聞かれました。
今回、松江北高校の出前授業では、自然界・日常にある電波を紹介し、また、それらの電波を検出できる簡易キットによる実験を交えて、電波の講義をしました。まず、日常における電波の話から、電流による磁場の発生や誘導電流などの説明をしました。理解しようと授業を一生懸命聞いている生徒の姿が、たくさん見えました。また、キットの制作・実験では、それぞれの生徒がブラウン管や蛍光灯など、電波が出ていそうな場所をみつけては、キットを使って電波を検出し、どんな所から電波が出ているのかということが確認でき、大変な盛り上がりとなりました。実験のあとは、雷電波、オーロラ電波等の自然の電波についてお話ししました。普段では見た事のない映像や画像が見れて、生徒も興味津々だったようです。
遺伝子の研究の歴史、そして、1990年に発足したヒトゲノム計画により、生命科学の研究にもたらされた大きな変革と今後の展望についてお話しました。生物情報科学という学問分野の発達は、生命科学のみならず、情報科学、コンピュータ科学等の発展とも大きな関わりがありました。サイエンスは、高校で習うような「化学」や、「生物」といった枠組みだけで決まるものではなく、境界がきわめて曖昧なものであるということが、生徒のみなさんにとっては新鮮だったようです。また、今回の授業で触れた内容、ヒトゲノム計画で日本人が果たした役割や、国際プロジェクトの進め方、今後の生命科学研究が目指す方向については、参加した生徒のみなさんが各自いろいろなことを考えるきっかけとなったようです。