日時 | 2007/6/23 |
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場所 | 神奈川県立川崎図書館 |
対象 | 一般のお客様 24名および関係者 6 名 |
担当者 | 榎戸、藤原 |
川崎図書館での今年度のサイエンスカフェのテーマ『環境』に絡め、宇宙物理学と地球物理学の学際領域から「雷雲からのX線を追え~地球環境での高エネルギー現象~」を行いました。スピーカーである榎戸が修士時代に挑戦し実際に検出に成功した、雷や雷雲からの高エネルギー放射線バーストの結果と、その科学的な意味についてお話するのが主題でした。
雷雲という身の回りの現象とはいえ、科学の大きな流れの中での意味を説明するには、若干の専門知識と前準備が不可欠です。そこで、サイエンスカフェを前半と後半に分け、前半では前準備の意味を込めて「自然科学の大きな流れ」を話しました。宇宙物理学や素粒子物理学に大きな役割を果たした「宇宙線」を軸に、その発見や残された謎、どのような科学的発見があったのかを、X線天文学の話題などを交えつつ紹介しました。
後半では、主に自分が手を動かして研究している雷雲からのガンマ線の検出について、生のデータや、ごく最近の海外グループの研究成果を踏まえて紹介しました。この一連の流れの中で自作の検出器による実演も行い、宇宙線ミューオンが通過するとLEDが光り、ちょっと間抜けな音色のブザーがなるという仕掛けも披露しました。毎秒一個の割合で、人間には見えない素粒子であるミューオンが手を突き抜けていく様子は、観客に大いに楽しんでいただけたようです。後半では、堰を切ったように質問が寄せられて、ホワイトボードで説明をする一幕もあり、終わりに行くに従って、一体感のある盛り上がりを見ることができました。