高校で出前授業

第24回出前授業

日時2007/11/3
場所島根県立三刀屋高等学校
対象生徒68名
担当者賞雅、藤原、丸山

内容

三刀屋高校の大講義室で理系の高校2年生を対象に、途中休憩を挟んで2つの授業を行いました。

講義1「元素で見る地球のすがた」

賞雅 朝子(東京大学地震研究所)

まず、講師の自己紹介から始まり、地震研究所の大学院生の1日のスケジュール例など、普段なかなか知る事のない大学院での生活を紹介しました。宇宙や地球、人間の身体がどのような元素で構成されているかなどを、綺麗な画像を用いて簡単に説明した後、地球の構造についてのお話をしました。地球を割ってみたこともないのに、なぜ地球の中身がわかるのか?という疑問に対して、地震波トモグラフィーを用いて地球の内部の様子が分かる事など、興味をそそられるでお話でした。また、知っているようで知らなかった事として、マントルがドロドロの液体ではなく、固体であるという事を知って驚いている様子も伺えました。同位体の分析の例として、炭素の同位体である炭素14を用いたお話をしました。炭素14の濃度を調べると昔の木片などの年代が、炭素14の半減期からわかります。また、同位体を用いて農産物の産地を判別をする事が出来る、という事にも驚いている様でした。ここでは、見た目には判別出来ない日本産・中国産・韓国産の椎茸の写真を並べ、ストロンチウム同位体比を用いると、どの写真の椎茸がどこの国で作られたかが分かる、というお話でした。

どのようにして地球ができたか
どのようにして地球ができたか

身近な元素から始まり、初めて聞く内容が多い様でしたが、みんな熱心に聞いていました。

授業の様子
授業の様子

講義2「赤外線で見る宇宙」

藤原英明(東京大学大学院理学系研究科)

簡単に自己紹介を行った後、赤外線とはなにか?ということで、赤外線の特徴や身近にある赤外線の紹介をしました。また、携帯電話とデジタルカメラを用いて、生徒さん達にはデジタルカメラを通して赤外線を「見て」もらいました。赤外線は電磁波の一種であるということを説明した後、実際に赤外線カメラで会場の生徒さんを映して見ると、普段私たちが見ている可視光線での世界との違いに、みなさん驚いていました。さらにこの赤外線カメラの実験では、2つの紙コップを用意し、片方には氷水、もう片方には熱湯を入れ、コップに触れずにどちらが氷水でどちらが熱湯なのか?というものを行いました。この問いかけには、赤外線が答えてくれました。赤外線カメラで映した2つの紙コップの違いは一目瞭然。この実験は大好評でした。このように、可視光線だけなど一つの波長の電磁波だけではわからないことも、違う波長を持つ電磁波を用いると、今までは分からなかった、また違う情報が得られます。このことを宇宙の観測にも適用していることから、様々な波長で見た銀河系等の画像を見てもらいました。また、赤外線を用いた宇宙の観測によって星が生まれる様子がわかったり、遠い銀河を見つけたりする事が出来る等、生徒さんたちにとっては初めて知る事も多く、興味津々の様子でした。

第二の地球はあるのか?
第二の地球はあるのか?

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