スペース&ネイチャー「国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)」ツアー

スペース&ネイチャー
「国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)」ツアー

日時2007/8/29 - 9/2
場所ハワイ島(国立天文台ハワイ観測所、イミロア天文学センター、ヒロ山麓施設、キラウェア火山国立公園)
対象未来館友の会会員18名
担当者内海、榎戸、風間、藤原、宮田、濱田

概要

8/29‐9/2にハワイで実施されました、スペース&ネイチャー「国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)」(以下すばるツアー)について報告します。

1日目

まだまだ残暑が厳しい8月の下旬、少し陽が西に傾いてきたかなと思わせる16時40分、成田空港のロビーに参加者の皆さん、今回ツアーに同行したサイエンスステーション(以下SS)の内海さん、榎戸さん、風間さん、藤原さん、宮田(英)さん、浜田の6名、そして日本科学未来館の鶴ヶ崎さんが集合しました。

各自チェックインを済ませ再集合し、旅行の説明が終わった後でメンバーの簡単な自己紹介、そして風間さんと宮田(英)さんからハワイ島の火山活動についての簡単な説明が行われました。

18時40分、参加者の大いなる期待を乗せたJO-76便は空路、ホノルルへ飛び立ちました。ホノルル空港から国内線に乗り継いでハワイ島のヒロ空港へ到着、そこからバン2台でキラウェア火山国立公園へ向かいました。

キラウェア火山の巨大なカルデラが見られる付属施設ボルケーノハウスで昼食を取った後、水蒸気があらゆる場所から出ているスチーム・ヴェントを風間さん、宮田(英)さん、現地のガイドさんに解説をしていただきながら見学しました。その後、道の両側にたくさんの火口が点在し、過去の噴火跡を見ることができるチェーンオブクレーターズロードを車で走り、溶岩樹形や海に溶岩が落ちた場所、サーストン溶岩トンネル等を訪れ、ここでも風間さんと宮田(英)さんとガイドさんの熱心な解説に参加者の皆さんは耳を傾けておられました。途中で車を止めて、「ペレの涙」と呼ばれる涙型の溶岩や「ペレの髪の毛」と呼ばれるガラス質の溶岩を参加者の皆さんと一緒に夢中になって探しました。また、溶岩が道を塞いで行き止まりになっている所では、少しの時間ですが溶岩の上を歩き回ったり、写真撮影をしたり、溶岩に触れたりしました。

ペレの涙
ペレの涙
キラウェア火山の巨大カルデラ
キラウェア火山の巨大カルデラ

最初は遠慮気味であった参加者の皆さんも、次第に和気藹々としたものとなり、溶岩を身体で感じた一日は無事終わりました。

2日目

朝、宿泊先のヒロ・ハワイアンホテルの窓からはヒロ湾が一望でき、その真っ青にきらめく水面を時折、エイやサメが泳ぐ姿を見ることができました。

ホテルから臨むマウナケア山
ホテルから臨むマウナケア山

午前10時30分、ホテルのロビーに集合し、イミロア天文学センター(以下、センター)へ向かいます。センターには、ハワイ文化・天文の展示物、プラネタリウム、更に映像で宇宙を体感できるシアターがあります。参加者の皆さんは疲れた様子もなく、ガイドさんやSSのメンバーの説明に耳を傾け、それぞれの場所で熱心に見ておられました。

イミロア天文学センターでの様子 1
イミロア天文学センターでの様子 1
イミロア天文学センターでの様子 2
イミロア天文学センターでの様子 2

センターで昼食を取り、午後からはハワイ観測所ヒロ山麓施設へ見学に行きました。ここでは高見英樹さんによる補償光学の説明、そして臼田‐佐藤久美子さん(以下、臼田さん)によるすばる望遠鏡の概要についての説明があり、参加者の皆さんからは多くの質問が出ました。その後、臼田さんの説明を聞きながら施設内を見学し、最後にすばる望遠鏡の主鏡の洗浄・メッキについての映像を見た際には、時折、参加者の皆さんから歓声が上がり、とても興味深くご覧になられていた様子でした。

この日の夜はホテルの部屋を一室借りてサイエンスカフェを行い、国立天文台ハワイ観測所から鈴木さん、友野さん、そして臼田さんが来てくださいました。講演内容は、まず榎戸さんが「色々な波長で見た宇宙」について、鈴木さんは「様々な時代の銀河の形状」について、友野さんは「ハワイでの生活・研究」について、風間さんは「地震研究と火山、浅間山で測定した絶対重力」について、内海さんは「ダークマター・弱重レンズ」についての話をされました。参加者の皆さんの殆どがサイエンスカフェに参加し、スピーカーの方々に多くの質問をされていました。講演終了後も、参加者の皆さんはハワイ観測所から来てくださった方々、途中で合流したSSの宮田(隆)さん、そしてSSのメンバーとお菓子を食べたり飲み物を飲んだりしながら和気藹々と話をし、とても楽しい時間を過ごしました。

カフェの様子
カフェの様子

3日目

朝、ホテルからはマウナケア山頂に設置されている天文台が朝日を受けて白く見えていました。いよいよすばる望遠鏡の見学です。

ホテルのロビーに集合し、3台の四輪駆動車に分乗してマウナケア山へ向かいました。サドルロードと呼ばれる曲がりくねった道を行き、この日最初の目的地であるオニズカビジターセンター(以下、ビジターセンター)へ向かいました。ビジターセンターでは、すばる望遠鏡をはじめマウナケア山頂に設置されている望遠鏡のグッズが販売されており、昼食を終えた参加者の皆さんは、それぞれに気に入った品物を購入されていました。

休憩を終え、山頂へと向かいましたが、一部舗装されていない部分もあり、山頂への険しさを感じることができます。車は30分で山頂へ到着し、まずはすばる望遠鏡、ケック望遠鏡等が見える高台へ上り、記念撮影を行いました。しばらくの間、参加者の皆さんは素晴らしい景色に見とれていました。 そしていよいよすばる望遠鏡の見学へ。ここではヘルメットをつけ、2つのグループに分かれて望遠鏡の土台、主反射鏡、そして様々な検出器等の説明を聞きながら見学をしました。マウナケア山頂は空気が薄いので、参加者の皆さんの中には辛そうにされている方もいらっしゃいましたが、最後まで熱心に説明を聞き、時折、質問もされておられました。

すばる望遠鏡見学風景
すばる望遠鏡見学風景

すばる望遠鏡を見学した後、ビジターセンターまで戻り夕食を取った後、サンセット見学で再び山頂へと向かいました。残念ながらこの日は雲が多く、日没を見ることはできませんでしたが、マウナケア山頂での夕暮れの景色に歓声が上がり、参加者の皆さんは夢中で写真撮影を行っていました。しかし、数名の方は体調が優れずにサンセット見学へ行くことができず、残念でした。

夕暮れのマウナケア山頂
夕暮れのマウナケア山頂

サンセット見学を終えてビジターセンターへ戻り、星空観望を行いました。暫くの間、雲がなかなか晴れなかったのですが、場所を少し変えてみたところ、徐々に星が見え始め、またもや参加者の皆さんから歓声が上がりました。そして望遠鏡を使って参加者の皆さんとガイドの方々やSSのメンバーが共に星座を探し、ハワイ最後の夜を過ごしました。ホテルに帰るのが非常に惜しいと思った方もいらっしゃったようです。

この日見た星空は参加者の皆さんにとって非常に強く印象に残った事だと思います。

4日目

遂に日本へ帰国する日となりました。

各自ホテルのチェックアウトを済ませてバスに乗り、ヒロ空港へ向かいました。搭乗までに時間はありましたが、飛行機が自由席であったため、早くから並ばれた方や、SSのメンバーと談笑していた方、空港内のお店でお土産を買われた方等、出発まで思い思いに時間を過ごされていました。ホノルル空港へ向かう際、飛行機の中からマウナケア山頂を見ることができ、写真に納めている方もおられました。

ホノルル空港でツアー最後の挨拶をし、一応の解散となりました。

この数日間がとても充実したものであったことが参加者の皆さんの顔を見て感じられました。また、参加者の皆さんに「また何かのイベントで会えるといいね」と言って頂き嬉しく思いました。今回のツアーが、参加された全ての方々にとって良き思い出としてずっと忘れずにいてほしいと思います。