日時 | 2008/6/22 |
---|---|
場所 | 日本科学未来館 |
対象 | 日本科学未来館友の会会員 20 名 |
担当者 | 賞雅、風間 |
東京大学地震研究所の賞雅朝子さんによるカフェセミナーが、「元素で見る地球のすがた」というテーマで行われました。参加者は日本科学未来館友の会の皆さん20名で、中学生の方を含め幅広い年代の皆さんが参加されました。セミナーでは、元素分析によって地球の歴史をどうやって解明していくのかが、詳しく解説されました。
セミナーの冒頭では、椎茸の産地判別に元素・同位体分析の手法が用いられていることが説明されました。参加者の皆さんには市販の椎茸3種類を観察していただきましたが、見た目や匂いだけでは産地判別が難しいと実感されたようです。化学分析によって産地が分かってしまうということに、皆さん驚いている様子でした。
その後、元素や同位体についての簡単な解説ののち、試料から元素を分離・抽出する方法が解説されました。参加者の皆さんには、元素分離の方法として一般的なペーパークロマトグラフィーを体験していただきました。黒色のインクが濾紙の上に広がり、複数の色に分かれていく様子に、皆さん見入っていました。
セミナーの後半では、元素や同位体を分析することで明らかとなってきた地球の歴史について解説されました。氷床中の気泡の酸素同位体を分析することで地球の気温の履歴を解明したり、岩石中の同位体を分析することで地球マントルの対流活動を解明したりなど、さまざまな研究が行われていることに、皆さん興味津々といった様子でした。また、活発に質問をしたり、熱心にメモを取る様子も見られました。参加者の皆さんにとって、発見や驚きにあふれたセミナーとなったようでした。