日時 | 2008/12/12 |
---|---|
場所 | 千葉市立花園中学校 |
対象 | 中学校 3 年生 97名 |
担当者 | 賞雅、風間 |
千葉市立花園中学校の理科の授業で出前授業を行いました. 今回の出前授業では「元素と同位体でみる地球と宇宙 ~シイタケから太陽系まで~」というタイトルで,3クラスにそれぞれ同じ授業を行いました.元素や同位体がどのようにしてできるのか,元素・同位体を使うとどういう事が分かるのかということをテーマに産地偽造の話題から隕石から読み取れる太陽系の歴史などが紹介されました.
授業の冒頭では,講師の賞雅とアシスタントの風間の自己紹介を行い,風間から大学院生がどのように過ごしているのかや,大学院への進路などについて紹介がありました.元素や同位体について知る前に,最先端の研究がどのように役に立っているのかを産地偽装の話題からお話がはじまりました.3種類の干し椎茸を実際に見てもらい,色や形・臭いなどからどれが日本産かを当ててもらいます.
臭いによる違いはあったようですが,なかなか判断がつかないという生徒さんが多かったようです.ストロンチウムという元素を使うことで科学的に産地が判別できるということが紹介され,生徒さんは驚いているようでした.中学校ではまだ習っていない,同位体などについての説明の後,元素や同位体を使って他には何がわかるのかというお話にうつっていきます.
天文に関係するお話というリクエストを頂いたので,今回は隕石を中心にお話が展開していきます. 恐竜の絶滅の原因のひとつが隕石だということは,イリジウムという元素を調べることでわかったということや,最新の研究で酸素の同位体を使うと太陽系がはじまるよりもっと前のものが見つかったことなどが紹介されました.お話の中で実際にいん石の欠片やいん石のカタログ本などが回され,初めて見る本物のいん石に皆さん興味津々でした.
次に元素や同位体がいったいどのようにしてつくられたのかというお話に続いていきます.宇宙の長い歴史の中で,星の中や超新星爆発などによって周期表にある様々な元素やその同位体がつくられていったということ,その長い歴史の中でつくられていった元素が今の私たちの体や,身の回りのものをつくっているということが説明されました.
しいたけから始まり宇宙へ元素というつながりをもって徐々にスケールが大きくなっていったお話,そしてまた身近なしいたけや自分たちの体をつくっている元素が星などでつくられることに生徒さんたちは驚きをもち,また興味がわいたことでしょう.
短い授業の間でしたが,内容的にボリュームがあり,すこし難しい所もあったかもしれませんが,新しい興味や今までなかった興味を引き出すことが出来たのではないでしょうか.