日時 | 2008/6/14 - 15 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県木曽青峰高校理数科クラスの2年生32名(内生徒29名、教師3名) |
担当者 | 三戸、松村 |
今回の星の教室には、長野県木曽青峰高校の理数科クラスの2年生、29名の高校生が参加しました。また、長野県木曽青峰高校からも3名の先生がいらっしゃいました。
1日目は3つの実習を行いました。
まず、実習1「視覚を使って距離を求める」では、教室で講義を聞いてから各グループに別れて実験を行い、物体のおおよその大きさから視覚を使って距離が求められるということを学んでもらいました。
次に、実習2「銀河までの距離を求める」では、パロマー天文台の銀河の観測データから、班毎に銀河を画像から何個か選んでもらいました。実習1で学んだ考え方を用いて、それぞれが選んだ銀河までのおおよその距離を求めてもらいました。
実習3の「宇宙の年齢を求める」では、各班で話し合う姿や今まで学んだ知識を生かし試行錯誤をする姿が見受けられました。特にグラフに引いた直線の意味や引き方、宇宙の年齢はどうやったら求まるのかといったことを班で議論し、それぞれで懸命に考えていました。また個々の考えを班で共有して、行き詰るとそこで止めてしまわずもう一度みんなで各実習を、段階を追って考えていました。
途中作業を休憩して観望会を行いました。月がまだ出ていたので明るく多少星が見えにくい状況でした。このとき土星を見たことは印象深かったようで、最終発表のOHPのなかに土星が登場していました。作業を再開して、1日目は22時ごろ終了し、再度観望したり、実習3に取り組んだりと各自自由な雰囲気でした。
2日目は主に、発表準備と発表会を行いました。発表のやり方などを説明し、OHPの使い方を説明する以外は、スタッフからの指示はしませんでした。各班で宇宙年齢を出すのに挑戦し続けている班、早々とOHPシートに取り掛かる班など、班によって様々でした。班によっては宇宙年齢が出た班と出なかった班があり、どちらの班でも「なぜ結果を出せたのか」、「なぜ出せなかったのか」についてきちんと理由をもって発表していました。発表準備は短時間しかなかったのですが、どの班の発表でも見やすいようにOHPに工夫が見られました。また双方の班の間で、結果に対する理由について質問しあっている姿が印象的でした。
普段は考えない宇宙年齢とういう難問にも諦めず挑戦する姿勢が見られました。今回の実習を通して、知識は与えられるだけではなく、周りの情報から自ら導き出すことが出来るということを経験できたと思います。このことは今後高校生たちが自分自身の知らない問題に出会ったとき、この経験が生かされると思います。
また普段なかなか学ぶ機会が少ない天文という分野を学ぶことで視野がひろがっただけでなく、木曽観測所に足を運んだことで地元の良さを再確認する機会ともなったと思います。