日時 | 2008/9/20 - 21 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 三戸、佐々木、宇野 |
担当者 | 諏訪清陵高等学校(生徒23名、教師2名) |
「星の教室」では「宇宙の年齢を求める」ことを目標として一泊二日のプログラムが行われました。
まず、開校式の後、これから何をするか、銀河とは何か、人類は宇宙をどのように理解していったのかについての簡単な講義が行われました。皆、ノートをとって、講義に集中していました。次に、105cmシュミット望遠鏡の見学が行われました。高校生たちと先生が、熱心に写真を撮って、案内してくださっている征矢野さんを質問攻めにしていました。
そして、実習1では視角から距離を求める方法について講義しました(宇野が担当しました)。実験1では、写真上で1cmが何度であるかを求めました。結果に大幅な誤差が出ることもなくスムーズに進みました。実験2では、視角を使って、写真上のいろいろな距離に立った高校生たちまでの距離を求めました。実測距離と視角距離に、大きく違いが出なかったので、皆、視角で距離が求めることができるのだと納得しました。
夕食後に、実習2で、銀河までの距離の求め方を講義しました(佐々木が担当しました)。皆、色々な銀河を選び印刷していました。ほとんどの班は、一人四つずつ分担して、計算を行っていました。ここでも、特に問題なく、銀河の距離を求めることができたようでした。
最後に、実習3で、三戸さんが、これまでの実習をふまえて距離-後退速度図の作成を指示し、いよいよ宇宙年齢を求めることになりました。高校生たちは、後退速度は一定なのか、ハッブルはビックバンについて知らなかったというがそれは本当か、果たして地球は宇宙の中心なのか、などについて熱く議論を交わしていました。また、先生やTAにも色々と質問をしてきて、そこから、高校生とスタッフの議論に発展することも多々ありました。TAは11時頃に就寝したのですが、高校生たちは3時ごろまで起きて宇宙の年齢について話し合っていたようです。
また、夜は残念ながら曇っていたので、観望会は行われませんでした。
二時間ほど発表準備の時間がとられました。準備の進め方については、特に具体的な指示は出しませんでした。最初の方は、結論が出ずに、議論を続けている班が多かったのですが、発表の順番を決めると、ほとんどの班はOHPシートに発表することをまとめはじめました。発表会では、答えに辿り着くまでの考え方や計算方法はもちろん、没案や斬新な考え方、宇宙の年齢を求めたことで新たに出てきた疑問などを発表する班もありました。また、発表者に対する積極的な質問にも驚かされました。発表会が終わってから、三戸さんがまとめの講義をし、閉校式を行いました。
今回の「星の教室」で高校生たちは、研究するということや議論すること、答えを出すことの難しさを学ぶことができたと思います。また、高校生たちが、この経験を通して、科学により興味を持って、将来に生かすことができるように願っています。