日時 | 2009/5/30 |
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場所 | 日本科学未来館 |
対象 | 日本科学未来館友の会会員11名 |
担当者 | 賞雅朝子 佐々木彩奈 |
元素で見る地球の姿~シイタケからマントルまで~」というテーマで、東京大学地震研究所の賞雅朝子さんに出前授業を行っていただきました。参加者は日本科学未来館友の会会員11名で、中学生から大人の方まで、幅広い年齢層の方にご参加していただけました。
テーマにあるように、身近な食べ物であるシイタケを用いて、授業を展開していきました。参加者の皆さんには、最初に干しシイタケを3種類お配りし、産地が異なるシイタケを当てていただきました。臭いをかいだり色を比べたりなど、様々な手法を用いて、皆さん真剣に判別していました。そして、容易に判別をするのは難しいという事を知っていただいた上で、元素・同位体を用いて産地判別が可能というお話に移りました。
ここで、元素・同位体を調べるためには、調べたい元素のみを取り出すことが必要となります。そこで、混合物を単体の物質に分ける方法として、クロマトグラフィー法を紹介し、参加者の皆さんには、実際にその一種であるペーパークロマトグラフィー法を実験していただきました。ブルーブラックのインクが、ピンクや黄色や水色など、何種類もの色に別れていく様子に、参加者の皆さんは、色の多さに驚き、そして、見入っている様子が窺えました。
その後は、元素・同位体から産地判別の他に何が分かるのか、という話題に移りました。元素・同位体が星の中や重い星の死によって生成されるちうことから、太陽系より以前のことも分かるということ、そして、地球の歴史や太陽系の歴史を知ることが出来るということを説明し、宇宙レベルまでお話は広がりました。
授業の合間には休憩時間が数回とられましたが、その間も講師の方と参加者の皆さんの会話は絶えることはありませんでした。休憩時間中は、飲み物を飲みながら、お茶菓子を食べながら、参加者の皆さんは講師の方と楽しくサイエンスのお話をなさっている姿が見られました。参加者の皆さんが積極的に質問をするご様子に、科学に対する関心の高さが窺えました。
今回の講義は、ニュースで話題となった産地偽装というトピックからサイエンスを考えていくという流れであったため、参加者の皆さんは、身近で起こっている出来事に科学的視点で触れてみるという感覚が新鮮に感じられ、とても楽しんでいただけた様子でした。
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今回出前授業の機会を提供してくださった日本科学未来館に、感謝の意を表します。