日時 | 2009/3/28 - 31 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 生徒14名 |
担当者 | 宮田隆、三戸、猿楽、宇野、金澤、済藤、佐々木、中嶋、青木 |
今年も木曽観測所にて毎年行われている銀河学校を共催しました。ここ数年に比べると半分程度の参加者数でしたが、全国各地から天文学に興味のある高校生が集まり、三泊四日にわたって105cmシュミット望遠鏡を使った観測、データ解析、考察や発表などを行いました。
具体的な研究内容は彗星が放出するガスとダストの割合からその性質を見出し、彗星の寿命についても考えてみようというものでした。解析の中で難しい考え方があましたが、やり方を教えずに生徒同士の議論を繰り返し行ったため、最終的な理解は深まったのではないでしょうか。この頃になってくると雰囲気になれてきたのか、生徒の質問も増え夜遅くまで熱心に作業していた生徒もいました。発表では画像を多く用いたり、体を彗星になぞらえたり、ユニークな例えを用いるなど班の個性が表れていました。
科学的に数式を用いて性質を導くということを実際に行うことや発見や理解した時の喜びが印象深かったようです。
具体的な研究内容としては、星雲を撮影した画像から、星雲までの距離を求め、最終的にその大きさを調べました。途中経過には、撮影した画像の中にある星を、一つ一つ測光する作業がありました。その地道な作業に、高校生は驚きを隠すことができなかった様子でした。最初、班内で二つのグループに別れて作業を行っていました。しかし、研究を進めていくにつれ、必要なデータを得るためにグループの枠を自然と越えていき、最後には班で一丸となって取り組むかたちとなりました。 解析作業に入ってからは、どのように計算をしたら求めたい数値が出るかなど、意見を求め、解析を行う姿がみられました。その中でも、単に聞く側に回るのではなく、理解が難しい点は聞き、解析作業で出てきた計算式に感じた疑問など、個人が持った意見を積極的に出し合っていました。最終的に得たデータを眺め、納得できない部分については議論し、再度計算し直すなど、研究に没頭する高校生の姿が非常に印象的でした。初日は慣れない場所に来た事もあり、高校生同士が緊張して意見を出しにくい雰囲気でしたが、それを感じさせないほど、最後には素晴らしい団結力でした。研究を行う上で、協力することの大切さなどに気づいたことと思います。
今回の銀河学校で得た経験は、研究をしていく上での苦労、楽しさなど、日常生活では体感できないことが大半だったと思います。銀河学校で感じた事を、高校生の皆さんの今後に生かしていって欲しいです。
目的は銀河を観測し、銀河の中心や腕など場所ごとの星の色や明るさを調べることです。少人数ということもありお互いに教えあいながら、全員が着実に理解を深めようと必死に学んでいる姿が印象的でした。またスタッフの予想を超えた議論の展開を見せ、高校生の発想の豊かさや柔軟さに驚かされました。日付が変わっても熱心に議論を重ね、最終的には渦巻銀河の銀河形成モデルを提案しました。
普段の学校生活では中々体験することのできない"議論する"という経験に果敢に取り組み、そして結論を導き出すことで、その面白さや難しさを知ることができたのではないでしょうか。