日時 | 2010/7/30 |
---|---|
場所 | 東京大学本郷キャンパス |
対象 | 生徒16名 |
担当者 | 佐々木(雄)、小野 |
東大本郷キャンパスに研修に訪れた、広島県立尾道北高校の生徒さん16名をご案内しました
9時半に集合し、まずは理学部一号館にて一時間ほど、担当の小野が自己紹介も兼ねて研究内容を簡単に話しました。 また、東大での大学生活についても紹介しました。生徒さんからは、東大の野球部の活動はどのようなものか、研究していて気が滅入ってしまうことはあるか、 などといった少し踏み込んだユニークな質問をしていただきました。10時半からは2グループに分かれて、それぞれ約1時間半、研究室訪問を行ないました。
12名からなる工学系グループは工学部七号館へ移動し、航空宇宙工学科の中須 賀研究室を訪問しました。中須賀研究室の清水健介さんに講演していただき、超 小型人工衛星の重要性やこれまでの研究開発の経緯、これから先の計画(Nano-JASMINE, PRISMなど)について詳細にお話していただきました。生徒さんたちは、的を得た 質問をたいへん活発にしていました。衛星同士が衝突してしまうことはないのか 、打ち上げた衛星が故障してしまった場合に修理することはできるのか、今後超 小型衛星の需要はどの程度見込めるのか、など。講演後には、実際に装置開発を 行なっている実験室や、現在運用している衛星との通信を行なうマシンの置かれ た部屋、衛星との通信に使われているアンテナを見学させていただいたりしまし た。初めて見る装置などに対して、ここでも生徒さんたちは素朴な質問などを積 極的に清水さんに投げかけていました。
4名からなるもう一つのグループ、生物・化学・農学系グループは、中村研究室 の辻勇人さんに講演していただきました。化学とは何か、そもそも理学と工学は 何が違うのか、化学が生活の中でどう生かされているのかといった基本的なとこ ろからお話ははじまり、中村研で初めて合成に成功したシャトルコック型分子や その性質などの専門的なところまで、非常にわかりやすく解説していただきまし た。いくつかの物質は実際に用意していただき、生徒さん自らレーザーを当てて みたり、紫外線を当ててみたりして観察する機会を持つことが出来ました。生徒 さん達の質問にも丁寧に回答をしていただきました。特に、「カーボンナノチュ ーブに化合物を入れたら、どうして動くところが見られたのですか?」という質 問に対しては非常に良く勉強している質問だと喜んでいただき、実際に動いてい る様子の映像を見せたり詳しい解説をしてくださいました。
辻先生や清水さんに最先端の研究内容を伺ったり、素朴な疑問を投げかけて返 答していただいたり、それぞれの研究施設を見学したりしたことは、生徒さんに とってかけがえのない貴重な体験になったと思います。これからの高校生活や、 今後の進路決定の際に、今回の研修が少しでも参考になれば幸いです。