日時 | 2011/7/23 - 24 |
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場所 | 1日目: 木曽文化公園 駒王, 2日目: 東京大学木曽観測所 |
対象 | 13 名 (親子 5 組) |
担当者 | 三戸、小森、山村、金澤、藤貫 |
小学生とその保護者を対象とした天文教室『親子で学ぼう!夏の信州星空キャンプ』を開催いたしました。
本企画は、長野県近郊の小学校4~6年生の児童および保護者を対象に、普段は触れる機会のない105cm望遠鏡に触れる機会を与えるとともに、天体望遠鏡と星座早見盤の作成および観望会を通して理系の大学生・大学院生と共に天文学に親しむことを目的に今回初めて開催されました。
イベントは1泊2日で、以下のスケジュールにて行いました。
駅前にて集合。出欠を確認後、木曽福島駅からバスで木曽文化公園 駒王に移動しました。
あいさつとサイエンス・ステーションの紹介、過ごし方の諸注意の後、チェックインを済ませて天体望遠鏡の実習を行いました。望遠鏡の仕組みやレンズの働きについてなどの原理の説明の後、親子1組で1つの望遠鏡の組立を行いました。細かい工作や組立についてはスタッフが随時アドバイスを行い、出来上がった組から実際に望遠鏡を使い、屋内で見え方やピントの合わせ方などについて試してもらいました。
サイエンスステーション特製の星座早見盤を配布し、星の動きについての解説を行った後、星座早見盤の組立と使い方の実習を行いました。星座早見盤の見方を紹介し、当日の観望会の夜空や自分の誕生日等にあわせて、見える星空を早見盤から探してもらいました。応用として、地球の自転と公転をふまえた星座早見盤の原理についての解説も行いました。
宇宙科学を専攻する大学院生から、月についてNASAの動画や写真を多く交えてミニサイエンスカフェ形式で紹介を行いました。月についての研究の最先端の話題には、身近な天体だけに、新たな興味をひかれた参加者が多かったようです。
空模様を見ながら、屋外で20cm望遠鏡を用いた観望会、屋内で家庭用プラネタリウムを用いた鑑賞会を行いました。観望会では、残念ながら曇りがちではあったものの、実習で紹介した北極星やカシオペア座について僅かながら見ることができました。屋内では、家庭用プラネタリウムを上映し、夏の星空を中心に四季折々の星座、最近の宇宙トピックについて紹介を行いました。神話から天文学まで、幅広い話題には参加者の親子から複数の質問が飛びました。
木曽文化公園 駒王にて、ラジオ体操と朝食を済ませた後、バスで木曽観測所に移動して施設見学を行いました。105cmシュミット望遠鏡の見学では、望遠鏡の特徴や実際に行われている研究の紹介を行い、最後にはドーム前で記念撮影を行いました。
木曽観測所で行われている研究について、実際にとられたデータなどを交えて紹介を行いました。研究成果として、話題の小惑星探査機はやぶさと木曽観測所の関係にも触れました。観測所や研究の紹介を通して、天文学者の日常についても身近に感じてもらえたのではないでしょうか。
観測所に滞在していたロチェスター工科大学のMichael Richmond先生より、宇宙の天体の大きさとその間隔を人間の身長とスポーツでの距離に例えたお話をして頂きました。なかなか想像のつきにくい”天文学的”な世界観について身近な例を通して理解を深め、日本では通常体験できないアメリカ流の教え方に触れる貴重な機会にできたのではないかと思います。
スタッフへは、企画全体を通して児童及び保護者から宇宙に関する質問から大学生の日常まで幅広い話題や疑問が寄せられました。実習や観望会等を通して、理系の大学生と日常疑問に思っている不思議を解決し、星空を通じて宇宙に関心を持って頂けたのではないかと感じています。今後とも、幅広い年代の参加者に向けた新たな取り組みを提案し続けることで、より科学の輪が広まることを願っています。
このイベントは、JSTの平成23年度科学コミュニケーション連携推進事業 機関活動支援の支援を受けて実施いたしました。