日時 | 2012/2/26 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
参加者 | 10名 (親子4組) |
担当者 | 三戸、藤貫、金澤 |
小学生とその保護者を対象とした天文教室『親子で学ぼう!冬の信州星空キャンプ』を開催いたしました。
はじめに、会場となる木曽観測所の簡単な紹介、工作や観望会を含む過ごし方の諸注意を行いました。参加者の多くは、観測所には初めての訪問となるだけに緊張していたようです。
次は、天体望遠鏡の説明と工作を行いました。天体望遠鏡の仕組みに触れ、使われているレンズの役割について実際の虫眼鏡を使いながら理解を深めていきます。簡単な仕組みの解説の次は工作、キットを用い、レンズの凹凸や順番に気をつけて筒にはめて組み立てを行っていきます。組立完了後は、実際に屋内で遠くのものや景色などを観察して、どう見えるかやピントの合わせ方などを自分で試行錯誤をしてもらいました。
その後は、休憩をはさんで木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡の見学を行いました。教室からは少し離れたドームに移動し、先ほどの天体望遠鏡の仕組みを振り返りながら、望遠鏡の紹介を行いました。ドームを動かしたり、レンズを覗いたりと様々な角度から望遠鏡について解説する中、 何が105cmなの?天文を研究する人の生活はどんな感じ?シュミット望遠鏡でどんなことが出来るの?等々の質問が参加者からあがりました。普段は研究に使われ、公開されていない望遠鏡を間近に見られ興奮した様子で、望遠鏡の前で記念撮影をする場面もありました。
教室に戻った後は、星座早見盤の解説と工作です。星の動きとその仕組みについての説明の後、サイエンスステーション特製の星座早見盤の工作を行いました。工作では、はさみを使った細かい作業もありましたが、皆集中して熱心に取り組んでいました。工作が出来次第、日付と時刻を当日の観望の時間に合わせ、どんな星が見えるかを早速調べてもらいました。
その後、休憩を交えて木曽観測所とはやぶさについてのミニサイエンスカフェを行いました。小惑星探査機はやぶさの目的地であった小惑星イトカワの解析に木曽観測所の観測が役立っていることを紹介し、 実際に木曽観測所で撮られた写真のデータを用いて、イトカワを探すミニゲームなども行われました。本物のデータを目にして、天文学者の仕事について紹介を受ける中では、天文学者感が変わった参加者の人もいたようです。小惑星探査機はやぶさについては、映画化等の影響もあり親子ともに知っている人が多く、カフェの中では保護者の方からも積極的に質問が飛び出しました。
最後、空模様を見ながら観望会を行いました。作った天体望遠鏡と星座早見盤、懐中電灯を手に親子で観測所の庭で観望を行いました。残念ながら、当日は曇りで星はあまり見えませんでしたが、晴れていたら見えたであろう惑星、星座などの紹介を行いました。この日は晴れていれば、日没後の西の空に月と並んで2つの明るい惑星、木星と金星が見える予定でした。参加者の人には、今回作った望遠鏡や早見盤を使ってぜひまた晴れた日に観望をしてほしいと願っています。
今回のイベントからは、運営中のヒアリングや終了後のアンケートを通して、木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡の見学や、木曽観測所ならではのお話、親子で参加できるイベントへの需要を感じることができました。小学生とその保護者を対象とした試みは、木曽観測所の取り組みの中でも23年度のこの『親子で学ぼう!夏/冬の信州星空キャンプ』が初めてでしたが、運営について改善を加えつつ、また次回に取り組みたいと思っています。
このイベントは、JSTの平成23年度科学コミュニケーション連携推進事業 機関活動支援の支援を受けて実施いたしました。