日時 | 2012/11/9 - 10 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県野沢北高校理数科2年生生徒38名、および同学校教員2名 |
担当者 | 三戸、櫻井、村仲 |
東京大学木曽観測所で長野県野沢北高校の理数科1年生の生徒を対象に1泊2日の日程で星の教室が開催されました。
この実習では銀河の画像を用いて銀河までの距離と後退速度の関係から宇宙の年齢を求めます。
星の教室は開講式から始まります。開講式では天文が学問として成り立ったのはおよそ400年前のことであることや、およそ90年前にエドウィン・パウエル・ハッブルが銀河は後退して見えることを発見したことが紹介されました。
この後シュミット望遠鏡の見学を行いました。生徒たちは大きな望遠鏡やドームが動く姿に感動していたようでした。また、熱心に望遠鏡について質問するせいとも見受けられました。
教室に戻り実習が始まりました。実習1ではヒトの目やカメラで物を見るときに、その物を見込む角度「視角」について講義を行い、写真上の1cmは視角で表すと何度になるか計算を行い、見るものの大きさと視角が分かれば距離を求められることを確認しました。
実習2では銀河のデータベース内にある様々な銀河を印刷し、写真の視野と銀河の大きさの比からそれぞれの銀河の視角を求めました。さらにそれぞれの銀河は天の川銀河の直径に等しいと仮定し、銀河までの距離を求めました。
実習3では銀河の距離と、それぞれの銀河の後退速度の関係をグラブにして、宇宙の年齢を求めました。生徒たちはグラフをもとに宇宙の年齢や宇宙の広がる様子について班員で議論をしていました。
この日は終日晴天に恵まれ、夜には満天の星空が広がり、望遠鏡では木星やアンドロメダ銀河、オリオン大星雲など様々な天体を観望することができました。
2日目は発表準備と発表会があります。1日目で議論した内容を班の中でまとめ、発表会に向けて資料を作成しました。生徒たちは自分たちの考えを図や言葉でどのように表現したらいいのか悪戦苦闘していました。
発表順も決め、いよいよ発表会です。発表会では各班それぞれが考えたことを発表しあいました。発表後の質問では自分たちの考えたこととの違いを考えながらたくさんの議論が飛び交いました。
はじめておこなう天文の研究や空の暗い所でしか見られない満天の星空を眺め、「星の教室に参加する気はなかったが、来てよかった」と話す生徒もいました。この星の教室は高校生活の思い出のひとつになったのではないでしょうか。