日時 | 2013/8/20 - 21 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県木曽青峰高校生徒31名、および同学校教員2名 |
担当者 | 村川、大久保 |
東京大学木曽観測所で長野県木曽青峰高校2年生を対象に1泊2日の日程で星の教室を開催しました。 星の教室では視角という概念を理解したうえで、 天体画像の視野角と各班選択した画像に写っている銀河の大きさから様々な銀河までの距離を測定し、 各銀河の後退速度と銀河の距離から宇宙の年齢を求めます。
開講式の後、宇宙の年齢を求める前段階として天文学の歴史や宇宙膨張についての講義を行いました。
その後観測所にある105cmシュミット望遠鏡を見学しました。以前に見たことある生徒が何人かいましたが、初めて見る生徒も多くあまりの大きさに生徒たちは歓声をあげていました。
教室に戻り班に分かれて実習が始まりました。実習1では大きさの目印になるポールと、生徒たち自身をデジタルカメラで撮影し、カメラから対象物までの距離を求めるために必要な、 目から対象物全体を見るための角度(視角)という角度を求めました。そこから、自分たちからどのくらい離れているのかを求めました。
実習2では、宇宙年齢を求めるために必要な条件が銀河毎に整理されているデータベースがあり、そこから各班ごとに任意で複数の銀河を選択しました。15個以上選択し、実習1では人の身長だった大きさを、今回は銀河に応用させて銀河までの距離を求めました。その後各銀河までの距離と後退速度をグラフ化し、これらの相関から宇宙の年齢を求めました。
自由観望会では、雲が厚く時々雨も降っていたため観望会が出来ないと思っていましたが、幸い少しの間天気が回復し月と夏の大三角を見ることが出来ました。ただ、月が満月であったことに加え、雲量が多く、たくさんの星を眺めることは出来ませんでしたが、生徒たちは月の明るさとクレーターが見えたことに感動していました。
発表会では各班が考えた『宇宙年齢を求める方法』を手書きのスライドで発表しました。 発表会の前半は先生方やスタッフから質問が多かったのに対し、後半は生徒同士の議論も目立つようになり、生徒たち理解がより深まりました。
最後の講義では最新の宇宙の年齢を発表し、今回の測定における条件や宇宙膨張について深く説明をしました。
講義中、一生懸命メモを取る生徒もおり、自分なりに理解しようとしている姿勢が多く見受けられました。 発表も各班で議論を交わしどのようにしたらわかりやすく説明できるのか試行錯誤していました。 今回の実習を通して、これからの学習に役立ててもらえればと思います。