日時 | 2014/6/21 - 22 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県諏訪清陵高校2年生生徒31名、および同学校教員2名 |
担当者 | 三戸、森、松岡、志村 |
東京大学木曽観測所で長野県諏訪清陵高校二年生を対象に星の教室を開催しました。実習では、天体写真の銀河の視角から計算した地球-銀河間の距離と、データベースにあるそれぞれの銀河の後退速度をもとに、宇宙の年齢についての議論を行いました。
開校式と講義のあとドームの見学に向かった生徒たちは望遠鏡の大きさに圧倒されていた様子でした。大きな音を立てて望遠鏡やドームが動いた時には感嘆の声があがり、重い機材を持ち上げさせてもらったり鏡筒の中を覗き込んだりと、貴重な体験を満喫しているようでした。
実習1からは班ごとに活動していきます。デジタルカメラを使って視角を求めました。梅雨時ということもあり途中雨に降られながらも、各班順調に写真を撮影し距離を求める方法を学んでいました。
実習2では、実習1で学んだ視角と実際の大きさの関係を銀河に応用させて、地球から銀河までの距離を求めました。夕食をはさんだこともあり、この頃には生徒たちの緊張もだいぶ解れてきたようで、分からないところを互いに教えあったりしている様子が見られました。
実習3ではいよいよ宇宙の年齢を求めます。データベースから銀河の後退速度の情報を追加して、実習2で求めた銀河までの距離と合わせて議論を行います。わずかなヒントを求めてスライドを食いつくように見つめたり、活発な議論が遅くまで続けられていました。
2日目は発表会に向けての簡単な説明の後、昨日の議論を深めつつ、各班が発表準備を進めました。発表では分かりやすい資料とともに各班がこの実習での成果を発表しました。質疑応答ではTAが口を挟む隙の無いほど生徒からの質問や指摘が相次ぎ、活発な議論を進めているうちに生徒の理解もさらに深まったようでした。
発表終了後は最後の講義を行い、2日間の締めくくりとなりました。この体験を通して、生徒たちは天文学に関する興味をさらに深めたのではないかと思います。
今回の実習では各班のメンバー全員が役割を担って真剣に取り組んでいた様子が印象的でした。発表が得意な人やデータ分析が得意な人、議論のアイデアを出せる人など、それぞれの生徒の長所を発揮した結果が、最終発表にあらわれていたと思います。この短い2日間の経験は生徒たちのこれからの学校生活にきっと活かされるはずです。