日時 | 2014/8/5 - 6 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県木曽青峰高等学校 理数科2年生の生徒37名および同学校教員2名 |
担当者 | 前原*、大久保、柏野 (*印は東京大学側のスタッフです) |
東京大学木曽観測所で、長野県木曽青峰高校2年生の理数科の生徒を対象に1泊2日の日程で星の教室を開催しました。4, 5人のグループに別れ、実験を通して視角という概念を理解したうえで、様々な銀河までの距離を視角から測定し、後退速度と銀河までの距離を使って宇宙の年齢を求めました。
開校式と講義が終わった後、集合写真を撮影し、観測所内にある105cmのシュミット望遠鏡の見学を行いました。実際に105cmのシュミット望遠鏡を動かしてもらい、技術職員の方から望遠鏡の仕組みなどを教わりました。生徒達は説明に真剣に耳を傾け、ドームが動くと歓声を上げていました。
ドーム見学後は教室に戻り、班に分かれて実習が始まりました。実習1では自分たちをデジタルカメラで撮影し、視角から対象物までの距離を求める方法を学びました。
実習2では、実習1で学んだ視角を応用させて銀河までの距離を測定します。各班、データベースから銀河の画像を選び、銀河の大きさを測定し、視角を使って銀河までの距離を求めます。銀河の淵ははっきりしないものが多く、また形も個性的なため、大きさを測るといっても簡単ではありません。皆、画像の濃淡を調整するなど試行錯誤をしながら作業しました。
実習3では、いよいよ宇宙の年齢を求めます。データベースから銀河の後退速度を用いて、銀河の距離と合わせて宇宙の年齢を求めていきます。ヒントが少ない中、生徒たち同士で活発な議論が行われました。各班、グラフを使ったり、表を使ったりと様々な工夫をして、宇宙の年齢を求めました。
自由観望会では、雲が多く少ししか観測できませんでしたが、雲の切れ間から星が見えた時には星の多さに感動している生徒もいました。流れ星もいくつか見え生徒たちも楽しんでいました。
発表の仕方の説明の後、宇宙の年齢を求めた結果の発表準備をしました。班内で役割分担を決めて進めていました。発表では、手書きのスライドを用いました。各班よくまとめられていました。
生徒達は皆、積極的でチームワークが良く、手際良く実験を進めている様子が印象的でした。宇宙の年齢を求めることに、はじめは戸惑っていましたが、各自が知恵を出し合い、また長所を出し合いながら課題に取り組んでいました。この2日間の経験は、多く生徒達にとってこれからの学習や進路選択に活かされるのではないかと思います。