日時 | 2015/11/7-11/8 |
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場所 | 東京大学木曽観測所 |
対象 | 長野県飯山北高等学校2年生の生徒 32 名 |
担当者 | 三戸、谷口、渥美 |
星の教室は東京大学木曽観測所で主に地元の高校生を対象に開催されている天文学実習プログラムです。大抵の場合、視角の概念を用いることで宇宙の年齢を求めることを目標に実習を行っています。
1日目は生徒たちが木曽観測所に着いて早々木曽105cmシュミット望遠鏡の見学を行いました。望遠鏡の大きさに驚いている生徒や、望遠鏡の鏡に写った自分の写真を撮って楽しむ生徒が多く見受けられました。
望遠鏡見学に続く実習1では、視角の考え方を実習を交えながら学習してもらいました。実生活では物の長さを測るためにメジャーを用いることが多いと思います。しかしながら天文学において銀河の大きさを直接その場まで行って測るためのメジャーは存在しません。そのため、視角という考え方を用います。この視角という考え方は、物の大きさを「長さ」ではなく「角度」で測るという考え方です。視角を体感して理解してもらうために、生徒たちには実際に視角を用いて遠くに立っている人の背の高さを測ってもらいました。
さて、視角という概念に加え、銀河の大きさを銀河系の大きさと等しいという仮定を用いることによって目標としている銀河までの距離を求めることができます。そして、自分たちで実際に求めた「銀河までの距離」と、文献から得た「銀河の後退速度」、すなわち銀河が我々から遠ざかっていく速度のデータから宇宙の年齢を求めてもらいました。班によっては時間をかけつつ、自分たちで頭を悩ませながら考察しました。宇宙の年齢を用いるのに使う銀河の写真をプリントアウトして床に並べてみる、という過去にないアプローチをしている班もあり、生徒たちの発想力に驚かされました。
2日目は全班合同で研究発表会を行いました。1日目に得たデータを夜遅くまでまとめて、自分たちで発表することで、相手に自分の言いたいことを伝える難しさや、質問に対して的確に答えることの難しさを身をもって体験できたと思います。多くの生徒たちが自分たちで考えて、質問している姿がとても印象的でした。
一連の「研究」を通して自分で考え、実行することの重要性を感じてもらえたと思います。この重要性を忘れずに頑張ってほしいと思います。