高知県立高知追手前高等学校

高知県立高知追手前高等学校 出前授業

日時2020/11/14
場所高知県立高知追手前高等学校
対象高校1年生および2年生44名
担当者安田

概要

高知県立高知追手前高等学校で高校1年生と2年生を対象に「パスタで考える破壊の仕組み」というタイトルで出前授業を行いました。高知追手前高校は大学教員を中心に25名程度を招いて出前授業を実施してもらう「追手前ゼミナール」を毎年開催しています。本出前授業は「追手前ゼミナール」の講義の1つとして招待していただき、同校の先生方のご支援のもとで実施しました。授業時間は各回75分間です。同内容の授業を2回実施し、各回20名程度、計44名の生徒に授業を行いました。 本講義では感染症対策のため、講師は遠隔講義サービスを用いて自宅から講義を行いました。

授業: パスタで考える破壊の仕組み

講師: 安田 優也 (早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 4年)

「破壊」とは、物体が力を加えられ、2つに分離したり大きな変形を生じたりして本来の役目を果たせなくなることです。本授業では、破壊を例にして講義と実習を組み合わせて材料力学の基礎について考えました。

※材料力学:物体にかかる力と変形を考察することで合理的な強度設計を目指す工学

講義内容

講義では、最初に、大学の機械科での勉強内容の概要を説明し、そのうちの一つに材料力学があることを説明しました。そして、スマートフォンの画面割れ、缶飲料の蓋といった身近な破壊や、今年度起きた豪雨や阪神淡路大震災などの災害によって起きた破壊を紹介しました。次に、破壊を起こすような力のかけ方として、曲げる・圧縮する・引っ張る・ねじるの4種類があることを説明しました。そして、現地の先生から生徒に細長い円柱状のパスタを渡して頂き、手で両端を持って破壊してもらいました。パスタの破壊の様子から、物体にかかる力と変形、それらによって引き起こされる破壊について具体的なイメージを持ってもらった上で、強い材料とは何かについて講義しました。最後に、トラス橋や吊り橋といった日常でよく見る橋の構造を例に、構造の一部に力が加わった時に、力が各部材にどう伝わっていくかについて説明しました。熱心に話を聞き考えている様子がカメラ越しでもわかりました。

講義に用いたスライド
講義に用いたスライド

実習内容

事前課題として、長さ25㎝のパスタ40本を用いた橋(パスタブリッジ)を4、5人の班で設計、製作し、中央に重りを乗せた場合どこから破壊するかを考察する課題を出していました。

授業後半ではこれらのパスタブリッジについて各班に説明してもらい、講師から講評を行いました。その後、中央におもりをぶら下げて、その耐久性を競うコンテストを行いました。 ユニークなパスタブリッジが多くあり、講師側も楽しみながら講義を行えました。遠隔での講義となってしまいましたが、生徒側も楽しみながら、身近な現象や高校で学ぶ物理と大学で学ぶ内容の関連について学んで貰えたようで幸いです。

パスタブリッジコンテストの様子
パスタブリッジコンテストの様子

(記: 安田)

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