高知県立追手前高等学校 出前授業

高知県立高知追手前高等学校 出前授業

日時2022/6/25
場所高知県立高知追手前高等学校
対象高校 1 年生および 2 年生 : 28 名
担当者照井, 石川

概要

高知県立高知追手前高等学校において高校 1 年生と 2 年生を対象に「海を探る眼」と題して、海底を音響で探索する手法について授業を行いました。
高知追手前高校は大学教員を中心に 20 名ほどの講師を招いて出前授業を実施する、「追手前ゼミナール」を毎年開催しています。本出前授業は「追手前ゼミナール」の講義の1つとして招待していただき、同校の先生方のご支援のもとで実施しました。授業時間は各回75分間です。同内容の授業を2回実施し、各回15名程度、計28名の生徒に授業を行いました。本講義では前半に講義を行い、その後講義内容を踏まえたうえで、グループワークを行いました。

講義名: 海を探る眼

講師:照井孝之介 (東京海洋大学)

地球の表面の 7 割を占める海の底は、大規模な変動の履歴を残しながら、人間がアプローチすることが難しいフロンティアです。
一方、2011 年の東北地方太平洋沖地震や将来予想される南海地震など海底のプレートが引き起こす災害は社会に大きな影響を与えることから、その姿を解明することの重要性は非常に高いと言えます。
本講座では、海底の姿を明らかにするために用いられる音波探査の原理を、最もシンプルなソナーの製作体験を通して解説します。

冒頭では、大学で海洋について学ぶ選択について触れ、練習船での調査航海の様子を紹介しました。
続いて、海洋底を探索するためになぜ音波が必要であるのか、音波をどのように発信/受信しているのか、音波からどのように海底の姿を再現していくかを解説しました。

授業風景
授業風景

後半のグループワークでは、マイクロコンピュータの一種である「Arduino」を用いたソナー装置の作成に取り組みました。ソナーは、音波信号を発信したのち対象物で反射した信号が受信機に到達するまでの時間を計測し、対象物までの距離を測定するものです。今回は汎用の超音波距離計と Arduino を組み合わせ、microSD に計測した距離を保存する仕組みのソナーを製作しました。
生徒さんから、データに位置や向きといった情報を付加することで実用的なデータに近くなるのではないかという素晴らしい意見も生まれ、充実した活動になったようです。

グループワークの様子
グループワークの様子

多くの高校では取り扱わない内容である地球科学系/情報系の話題に、生徒さんの戸惑う様子もありましたが、講義、グループワークを通して海洋系研究の一端を紹介できたかと思います。
お招きいただきました高知県立高知追手前高等学校の皆様に厚く御礼申し上げます。

(記: 照井)

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