■ サイエンスステーションblogが始まりました。
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さて、今回も実験についてお話しまょう。前回は生物学実験についてお話しましたが、今回は物理学実験についてお話します。物理といったら難しいというイメージがあるかもしれませんが、少し前に皆さんもご存知であろう超伝導を用いた簡単な実験を行ったのでそれについてお話します。
超伝導状態とは超伝導物質が超低温に冷やされて臨界温度に達した時に、電気抵抗がゼロになったり、物質内部から磁力線が排除されたりする現象のことです。これらの現象を確かめて考える実験を行いました。使用した超伝導物質はイットリウム系超伝導体を使いました。実はイットリウム系超伝導体は冷やすために液体窒素を使用するのですが、イットリウム系超伝導体が発見される前の超伝導体は液体窒素(-196℃)よりも温度が低い液体ヘリウム(-269℃)を使う必要があり、それを用意することが大変でした。液体窒素を使用して超伝導状態を作り出せる超伝導体は高温超伝導物質といわれます。
実験では液体窒素でイットリウム系超伝導体を冷やすと同時にイットリウム系超伝導体に流れる電流・電圧から抵抗を求めました。結果は-175℃ぐらいで臨界温度に達し抵抗が一気に無くなっていきました。文献を見るとその温度が臨界温度であることがわかりました。
次にマイスナー効果を見る実験を行いました。マイスナー効果はご存知だと思いますが、超伝導体が磁石の上に浮く現象です。実際に超伝導体を液体窒素で冷やして磁石の上にゆっくりのせてみると見事に浮きました。面白かったので何回も試してみました。
超伝導は一体どういうところに役立つのでしょう。その一例に送電線に用いる方法があります。電気は発電所から各家庭までたどり着く間に送電線自身の抵抗で電力が少しロスしてしまいます。超伝導は抵抗がゼロなのでロスなしで電気を送ることができます。そのため砂漠に太陽光発電所を設置して送電線に超伝導状態の超伝導体を用いれば世界各地に電力の損失がなく送電できることになります。他にもリニアモーターカーも超伝導現象を利用しています。超伝導体が一般的に使われるためには臨界温度が高くしなければなりません。もし、室温で超伝導状態になる物質が見つかったら我々の生活は大きく変わることでしょう。
おひさしぶりです。kanazawaです。
前回、hashihataさんが実験について書いてくださったので、その流れで工学部の実験についてちょこっと書いてみたいと思います。
僕の大学では、1年生の時に幅広く理科の科目全て(生物や物理など)について一通りの実験を行います。これは薬学部や看護学科なども含めて数学科以外の理系学部で同じ実験を行います。(数学科以外というのもおもしろいですね。)
その後、僕の学科では電気回路に関する実験や風洞を使ったり、材料特性を測ったりなどなど各工学分野についての実験が行われます。
なので、最近は試験管や白衣(←実験のイメージの代表例?)とは程遠い実験なのです。白衣は1年生の時にしか着てません。もちろん、工学部の化学科などは普段着に白衣が入るくらい着るようなのですが。
同じ工学部でもこのように違いますから、毎日毎日大学では本当に膨大な種類の実験が行われているのでしょうね。
やはり、学生実験の悩みのタネはレポート提出でしょう。毎週毎週レポートを書き上げるだけでも大変ですが、そのレポートが再提出になるともっと大変!です。学年があがるにつれて、どんどんレポートの期待される完成度があがるので再提出が増える傾向にあります。
と、今日も夜な夜な実験のデータを整理していくうちに夜が更けていきます。。。
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Jun 29, 2008
物理学実験 ~その①~
こんにちは。梅雨の長雨をどうすごしているでしょうか?わたくしhashihataは大量のレポートに追われるなど毎日が戦いの日になっています(笑)。さて、今回も実験についてお話しまょう。前回は生物学実験についてお話しましたが、今回は物理学実験についてお話します。物理といったら難しいというイメージがあるかもしれませんが、少し前に皆さんもご存知であろう超伝導を用いた簡単な実験を行ったのでそれについてお話します。
超伝導状態とは超伝導物質が超低温に冷やされて臨界温度に達した時に、電気抵抗がゼロになったり、物質内部から磁力線が排除されたりする現象のことです。これらの現象を確かめて考える実験を行いました。使用した超伝導物質はイットリウム系超伝導体を使いました。実はイットリウム系超伝導体は冷やすために液体窒素を使用するのですが、イットリウム系超伝導体が発見される前の超伝導体は液体窒素(-196℃)よりも温度が低い液体ヘリウム(-269℃)を使う必要があり、それを用意することが大変でした。液体窒素を使用して超伝導状態を作り出せる超伝導体は高温超伝導物質といわれます。
実験では液体窒素でイットリウム系超伝導体を冷やすと同時にイットリウム系超伝導体に流れる電流・電圧から抵抗を求めました。結果は-175℃ぐらいで臨界温度に達し抵抗が一気に無くなっていきました。文献を見るとその温度が臨界温度であることがわかりました。
次にマイスナー効果を見る実験を行いました。マイスナー効果はご存知だと思いますが、超伝導体が磁石の上に浮く現象です。実際に超伝導体を液体窒素で冷やして磁石の上にゆっくりのせてみると見事に浮きました。面白かったので何回も試してみました。
超伝導は一体どういうところに役立つのでしょう。その一例に送電線に用いる方法があります。電気は発電所から各家庭までたどり着く間に送電線自身の抵抗で電力が少しロスしてしまいます。超伝導は抵抗がゼロなのでロスなしで電気を送ることができます。そのため砂漠に太陽光発電所を設置して送電線に超伝導状態の超伝導体を用いれば世界各地に電力の損失がなく送電できることになります。他にもリニアモーターカーも超伝導現象を利用しています。超伝導体が一般的に使われるためには臨界温度が高くしなければなりません。もし、室温で超伝導状態になる物質が見つかったら我々の生活は大きく変わることでしょう。
Jun 11, 2008
工学部の実験
工学部の実験おひさしぶりです。kanazawaです。
前回、hashihataさんが実験について書いてくださったので、その流れで工学部の実験についてちょこっと書いてみたいと思います。
僕の大学では、1年生の時に幅広く理科の科目全て(生物や物理など)について一通りの実験を行います。これは薬学部や看護学科なども含めて数学科以外の理系学部で同じ実験を行います。(数学科以外というのもおもしろいですね。)
その後、僕の学科では電気回路に関する実験や風洞を使ったり、材料特性を測ったりなどなど各工学分野についての実験が行われます。
なので、最近は試験管や白衣(←実験のイメージの代表例?)とは程遠い実験なのです。白衣は1年生の時にしか着てません。もちろん、工学部の化学科などは普段着に白衣が入るくらい着るようなのですが。
同じ工学部でもこのように違いますから、毎日毎日大学では本当に膨大な種類の実験が行われているのでしょうね。
やはり、学生実験の悩みのタネはレポート提出でしょう。毎週毎週レポートを書き上げるだけでも大変ですが、そのレポートが再提出になるともっと大変!です。学年があがるにつれて、どんどんレポートの期待される完成度があがるので再提出が増える傾向にあります。
と、今日も夜な夜な実験のデータを整理していくうちに夜が更けていきます。。。