Jul 04, 2009
意外とあなどれない気温
私が研究で扱うデータはテラバイト(ギガバイトの1000倍)のオーダーなので,一台のディスクでは当然カバーできません.また,そのようなデータをもとに作ったデータは復元するのもそう簡単なことではありません.そうした問題を解決するために,私のワークステーションにはRAIDと呼ばれるハードディスクのお化けが接続されています.8台のハードディスクをうまく連動させてどれかが壊れても他のハードディスクが協力することでデータの損失を防ぐというものです.
大変ありがたい装置なのですが,運用し始めてから装置の温度計がしょっちゅうアラートを出すようになりました.触っても大した温度ではないので温度計自体が壊れているのだろうと思っていました.
そんなある日,別な実験のために私の机の周辺に温度計をセットして観測を続けたところ,なんとワークステーション周囲は43度にもなっていたのです.当然こんな外気から冷却のために空気を取り入てたところでワークステーション内部や,RAID内部の温度が下がるはずがありません.緊急的な措置として本来人に向ける扇風機をセットし,加熱された空気を机の下から強制的に排出するようにしました.対流があるのであまり変わらないだろうと踏んでいたのですが大違いです.10度近く下がりアラートも一ヶ月くらいでなくなりました.
確かに空気は熱を運べるので当たり前と言えば当たり前なのですが,これほどにまで大きく効果を発揮するとはまったく予測もしませんでした.
何事も知ったかぶりせずに実験することが大切だということを痛感しました.(ワークステーションやRAIDが壊れなくて本当に良かった.)
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http://sciencestation.jp/blog/blog.cgi/utsumi/20090701.
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