Nov 14, 2005
惑星科学
仙台はすっかり寒くなりました。山々は紅くなってきました。 でも、毎年違う紅が見られるのが面白いところです。 さて、木星の研究をしている私ですが、木星の観測シーズンはしばらく先。今は、過去の観測データを解析しています。望遠鏡で観測された、イオ(木星の月の1つ)の火山起源の大気の時間変化を調べています。イオの火山が活発だと、イオからたくさんの大気が大変広く流れ出しているのが観測されます。逆に火山が小規模だと、大気流出の規模も小さくなります。しかし、木星の強力な重力をふりきって流れ出すのは普通では考えられません。惑星の大気流出のメカニズムを考えるための重要な研究であると私自身は考えています。 ところで、私は東北大学で地球物理学(惑星科学)を専攻していますが。望遠鏡を使って観測し、まるで天文学の研究のようです。 しかし、ちょっと天文学と違う手法を用いることを考えています。私の使っているデータが得られた時期に、カッシーニという欧州・米国の探査機が木星に接近しています。カッシーニは木星・イオ周辺の環境を詳細に直接探査しました。カッシーニのデータを用いれば、木星の狭い範囲ながら詳細なデータが得られます。この詳細なデータと我々の木星周辺の広範囲な観測データを組み合わせれば、木星周辺にはたらく物理的なメカニズムが見えてくるのではないか、そんなことを考えています。 直接探査と地上観測で追求できる、これが地球科学の醍醐味なのかもしれません。
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