Jul 26, 2005
SPring-8
こんにちは、niko、4回目です。今日は、先週に一週間ほど滞在していたSPring-8での話です。私は研究室で、人間の目では捕えることのできない高いエネルギーの光(放射線)を検出する機器をつくり、その性能が人間の目のようになればいいなぁ、という研究をしています。宇宙から星が放っている光もエネルギーが高いものが多く、目では捕えられない星がそれこそ星の数ほどあります。ですから、人間の目の代わりになる検出器が必要なんです。そして、高いエネルギーの光が物質を透過したり反射したりする性質をつかって、モノの細かい構造を探ることができます。X線レントゲン写真が身近な例ですね。今回のSPring-8での実験は、物質の構造を探るためにX線をモノに照射し、そのX線の反射を捕える「目」となる検出器のテストでした。まる三日間、X線のビームを使える時間をもらっており(「**のために、使わせて下さい。こんなすごい実験をするんです!」みたいな書類を書いて、他に使用したい人との競争に勝たねばなりません。)、それは貴重な時間なので、実験メンバーで交代しつつ徹夜で実験をしました。SPring-8での実験は初めてで、そのために失敗もありましたが、いくつか行なった実験から、基本的な性能を確認することができました。東京に戻って来てからは実験結果をまとめ、レポートを製作しています。そして、後期もSPring-8で実験を行ないたいので、そのための書類も書き始めています。実験を行なうには、その実験の重要性をうまくアピールして、多くの人の力を借りないといけないのですね。まさに、この日記もそんなアピール力を磨く場かもしれません。
「お、どんな実験やってるの?」と思った方、ぜひ質問メールをSSに下さいな。講師派遣依頼も受けつけてますよー。では、また次回。
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