NPOサイエンスステーション
   −出前します、最先端の科学の授業−

■ サイエンスステーションblogが始まりました。
■ メンバーのみんなが二日にいっぺん交代で日記つけてます。
■ 科学に携わる大学生・大学院生たちの日常をのぞいてみてください。

Feb 13, 2011

世代交代

しばらく SS とはご無沙汰でした.私が管理しているいろいろなサーバを見て回っていて,ふと思い出して書き込みをしています.utsumi です.
ScienceStation は2005年に始まったのですが,当時は強力に推進するコアなメンバーがいたおかげで非常に活発でした.私もそういう熱い気持ちを持っている人たちのお手伝いがしたいと思い,web サービスの構築など裏方作業をやっていました.
しかし,だんだんと創設メンバーが社会へと羽ばたいていった結果,どんな組織でも陥るであろう後継者不足というべきか,世代交代問題に直面してまっていたのです.特に ScienceStation の場合,全国に散らばった会員が集まった団体ですので,意識の維持が大きな課題となります.
そんな中,ここ数年は年末に会員が一堂に会する SS 合宿が行われるようになりました.一年に一度だけの会ですので,お互い初めて顔を合わせる場合も多いです.しかし,銀河学校や星の教室で代表される「熱い」事業をきっかけに集まってきたメンバーが一泊二日の密度の濃い合宿をした結果,メンバー同士がお互いに刺激しあい,しだいに創設メンバーと同じような「熱い」気持ちを持ってくれるようになってきました.そして,いつの間にかネット上での議論が活発になり,いろいろな事業へとつながってきています.
頼りがいのある後輩がたくさん出てきてくれて,とても心強いです.心配していた世代交代の問題もこれで無事解決です.今後とも SS の活動をよろしくお願いします.
Posted at 21:19 by utsumi | WriteBacks () | Edit

Oct 05, 2009

情報産業

10年くらい前,天文の道に進むか,情報系の道に進むか迷ったときに,その当時はパソコン黎明期でまだまだ開拓できる分野があるからいいけど,生涯やれる仕事を見いだせるかと考えたときに,各家庭に一台パソコンを保有する時代がきたら,きっとみんなが達者にパソコンを使えるようになって,そういう技術者は淘汰されるだろうと思っていた.
ところが10年たってみてもその気配はなく,むしろ技術者たちは新しく,しかも難解なシステムをどんどんとくみ上げていって,そういう技術者たちがいなければならないような世の中になってしまった.
こんなことなら,そういう仕事を目指しても良かったような気もするけど,結局後の祭りとなってしまった.
そもそもパソコンとかこのように各家庭に一台時代が来るなんてだれが予想したのだろうか?そんなことを考えていると,世の中に積極的に絡まるように行動し,理解させて,認めさせるという活動は大変重要なことであるのだと最近思いましたとさ.
Posted at 16:00 by utsumi | WriteBacks () | Edit

Jul 04, 2009

意外とあなどれない気温

私が研究で扱うデータはテラバイト(ギガバイトの1000倍)のオーダーなので,一台のディスクでは当然カバーできません.また,そのようなデータをもとに作ったデータは復元するのもそう簡単なことではありません.
そうした問題を解決するために,私のワークステーションにはRAIDと呼ばれるハードディスクのお化けが接続されています.8台のハードディスクをうまく連動させてどれかが壊れても他のハードディスクが協力することでデータの損失を防ぐというものです.
大変ありがたい装置なのですが,運用し始めてから装置の温度計がしょっちゅうアラートを出すようになりました.触っても大した温度ではないので温度計自体が壊れているのだろうと思っていました.
そんなある日,別な実験のために私の机の周辺に温度計をセットして観測を続けたところ,なんとワークステーション周囲は43度にもなっていたのです.当然こんな外気から冷却のために空気を取り入てたところでワークステーション内部や,RAID内部の温度が下がるはずがありません.緊急的な措置として本来人に向ける扇風機をセットし,加熱された空気を机の下から強制的に排出するようにしました.対流があるのであまり変わらないだろうと踏んでいたのですが大違いです.10度近く下がりアラートも一ヶ月くらいでなくなりました.
確かに空気は熱を運べるので当たり前と言えば当たり前なのですが,これほどにまで大きく効果を発揮するとはまったく予測もしませんでした.
何事も知ったかぶりせずに実験することが大切だということを痛感しました.(ワークステーションやRAIDが壊れなくて本当に良かった.) IMG_0610
Posted at 19:09 by utsumi | WriteBacks () | Edit

Jun 01, 2009

bootstrap

bootstrap 法という統計手法を勉強しました。 名前がおもしろいですよね。wikipedia でちょろっと見たらほら吹き男爵が自分で自分の靴ひもを引っ張って底なし沼から抜け出したというお話に由来しているらしいです。
統計手法だけではなく、プログラムの業界にも bootstrap 問題というのがあって、コンパイラのコンパイラをどうするか?という問題のことをさすようです。
以前学校で習ったのはある言語のコンパイラを書くのは、非常に単機能なコンパイラを作ってそのコンパイラを使って機能拡張してコンパイラを進化させるということでした。最初の最初はアセンブラ言語をかからなきゃならないので大変な訳です。
要するにある限られたリソースの中でどうするか?というような命題に対して名付けられる名前のようです。

統計手法である bootstrap も限られたデータの中から経験分布関数と呼ばれる分布関数を構築し統計量を調べます。なかなか収束するのかどうかとか不安なことがあるのですが、とりあえず自然に展開できるのでもう少し勉強してみたいと思いました。
Posted at 00:03 by utsumi | WriteBacks () | Edit