NPOサイエンスステーション
   −出前します、最先端の科学の授業−

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■ 科学に携わる大学生・大学院生たちの日常をのぞいてみてください。

Sep 03, 2007

すばるツアー最終日 (9/1-2) 「帰路」

往路と同じようにヒロ空港からホノルル空港を経由して成田空港へ帰って来ました。この数日間で仲良くなった面々が楽しく語りながら、成田空港では満足感と充足感のある顔をたくさん、みることができました。

参加者のみなさん、暖かく向かえてくれた「すばる」の方、Science Station の面々、現地ツアーガイドのみなさん、ありがとうございました。

また、Science Station のイベントや日本科学未来館のイベントでお会いできるのを楽しみにしています。

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すばるツアー 3 日目 (8/30) 「すばる望遠鏡見学」

3 日目はいよいよ、マウナケア山に登って「すばる」望遠鏡を見学する。 朝は藤原君、内海君とレンタカーを借りに行ったり、サンドイッチの受け取りに行ったりもした。

さて、三台の 4WD に分乗しサドルロードを一路マウナケアに向かった走って行く。この日は雲が出ていて、以前に観測に来たことのある藤原君と内海君は風景が違うので道が正しいかを心配していたが、問題なく正しい道だった。どうもいつもとは少し様子が違ったようである。1時間ほどで、途中のオニヅカビジターセンター(標高 2800 m)へと到着する。ここにて昼食のサンドイッチやバナナを頬張る。さすがにこの高度まで登って来ると案外寒い。高山病にならないようにここで小一時間ほど待機してから山頂へ向かう。

オニヅカからマウナケア山頂(標高 4260 m)まではざっと 30 分ほど。 雲が案外高いところまで登ってきている。車は急な傾斜の坂道を必死に登って行き、やがて頂上の望遠鏡群が見えて来た。まずは高台から「すばる」望遠鏡が見える場所にて下車、思い思いに世界各国から集まって来た望遠鏡群や目的の「すばる」望遠鏡を眺めやり、記念撮影をする(写真)。左手に見えるのが「すばる」望遠鏡、その右の双子は Keck 望遠鏡である。この時点までで高山病にかかって見学ができない参加者の方が出なかったのはとても幸いなことだ。

いよいよ、すばる観測所見学。二班に分かれヘルメットを装着して見て回る。望遠鏡の土台部分、主反射鏡、各種検出器群、ドームの中、などなど、普段は見れそうもない場所まで案内していただくことができた。高山で空気がなく、いささか辛そうな感じではあったが、参加者のみなさんも興奮気味に見て回っていた。

また記念撮影の後、いったんオニヅカまで下りて来る。ここで夕食。この後ふたたび山頂まで登っていって夕日見学なのだが、少し体調を崩している方もいたので榎戸はオニヅカに一緒に残って御留守番である。オニヅカセンターの中では、外国の大学院生(?)のサイエンスカフェのようなものが行われていたりもした。夕日見学の人達は「寒かった〜」といいつつも、写真をいっぱい撮って下山して来た。この日はいつもよりマウナケア山の気温が高かったようで、山頂近くまで雲が登ってきていた。残念ながら水平線や地平線に夕日が沈むところは見えなかったということだが、雲間に消えて行くところを見る事ができたということ。

最後は、この 2800 m のベストポイントでの天体観測。しかし、寒い。最初は少し曇っていてあまり星は見えなかったが、参加者の祈りが通じたのか途中から晴れ始める。ツアーガイドさんによる星座解説と星座にまつわる伝説の解説を交えて時が過ぎていった。

帰路には雨が降る中、サドルロードを戻って行く。途中で事故車と遭遇したりもしたが、我々は無事に、だれひとり高山病で大変なことにはならずにホテルに戻ることができた。

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Posted at 14:27 by enoto | WriteBacks () | Edit

すばるツアー 2 日目 (8/30) 「サイエンスカフェ」

今日は出発まで時間がある。 朝の自由時間にヒロハワイアンの周りを歩いてみる。ホテルの横は真っ青な太平洋の海原。遠くに積乱雲が無数に生まれており、海の方角からいつも風が吹き寄せてくる。白い造りのホテルはたくさんの緑に囲まれていて、淡青の空を背景にとても絵になる。

本日はまず、イミロア天文学研究センター。イミロアとは「知識を伸長する」といった意味で、比較的最近できたハワイ文化と天文研究を紹介する施設だ。ハワイ原住民の文化、とくに大洋を渡ってはるばるハワイ諸島にやってきた人々の技術や、世界的な天文研究のメッカであるハワイを中心にした最新の研究がわかりやすく紹介されていた。SS のメンバーがときおり解説を混じつつ、みなさん思い々々に展示に見入っていた。4D2Uシアターやプラネタリウムでは、ハワイの歴史、ハワイ原住民の星座の話、ビッグバン、超新星爆発などの話題が繰り広げられていた。

午後は日本のハワイ観測所ヒロ山麓施設の見学。高見英樹先生が補償光学のお話を、臼田-佐藤久美子さんが「すばる」の概要を説明してくださって、参加者のみなさんからも活発な質問が飛んでいた。施設の中のSuprime-Cam などを見学することもできた。

夜はサイエンスカフェ。海の見えるジュニアスイートの部屋を借り切って、コーヒーや茶菓を用意し、壁にプロジェクターを投影する。夜の 7 時には部屋一杯に参加者のみなさんが集まってくださった。今回のスピーカーは 5 人。榎戸が「いろんな波長で眺めた宇宙の話」を、すばる望遠鏡の鈴木さんが「宇宙のさまざまな時代での銀河の形状の話し、ハワイでの生活、検出器の話」を、友野さんは写真を交えながら「ハワイでの生活や研究について」、風間くんが「地震研究と火山の話。浅間山で測定している絶対重力計の話」、内海君が「ダークマターの話と弱重力レンズの研究について」話した。

質問も多数出て、スピーカーとお客さんが和気藹々と話す場面もあり、講演終了後もスピーカーや臼田さん、途中から合流した宮田さんを交えて参加者と話す輪があった。どのスピーカーや研究者も話がうまく、多少話が長くなってしまってはいたが、いい雰囲気が醸し出されていた。学会発表でもないのであまり強く縛らない方がサイエンスカフェの理念に沿っていてよいだろう。そんな交流のある一日だった。 DSC_0184 sc2
Posted at 14:04 by enoto | WriteBacks () | Edit

すばるツアー 1 日目(8/29) 「キラウエア火山見学」

まだ夏の暑さの残る成田空港のロビーに、一般参加のみなさん(以下、参加者のみなさん)とサイエンスステーション(以下、SS)のメンバー6人、日本科学未来館の鶴ヶ崎さんが集合。簡単な旅行説明の後、SSメンバーの自己紹介。初対面ばかりでちょっとドキドキしつつも、これからの数日間への期待感が伝わってくる。

現地に到着したらすぐにキラウエア火山の見学があるので、成田空港にて宮田君と風間君がパンフレットを片方に、ハワイの火山活動についての事前説明を行った。空港内の喧噪で少し聞き取りにくいものの、お客さんの真剣な聞き入りっぷりがいい。

7時間近いフライトで太平洋を飛び越え、ホノルル空港でハワイアン航空ヒロ行きに乗り換え。空港内にはスタバが何軒かあって、建物のはずれにある暇そうなスタバでは、時間を持て余した現地店員さんに日本について根掘り歯掘り聞かれたりもする。

青い海の中に数珠のように連なったハワイの島々の上を飛び、機内のグアバジュースを味わっているうちにヒロ空港に到着。南国らしい開放的なつくりの建物を出ると、思いのほか涼しい空気のなかに二台のバンが我々を待っていた。

一路バンは巨大なハワイ島の南東部に向けて南下し、南国らしい植物に囲まれたキラウエア火山国立公園(標高 1200 m)の中に入っていく。附属施設ボルケーノハウスでバイキング形式の昼食をとったあと地面から噴煙が吹き出している穴や、直径 4 kmほどもある巨大なカルデラを見物。日本の火山とは違って、噴火口の近くまで見に来ることができるのが特徴で、SS の宮田君と現地ツアーガイドのおばちゃんが競うように解説し、地球が躍動している様子を肌で感じることができる。

チェーンオブクレーターズロードという曲がりくねった一本道を進むと、溶岩が道路の上を這っている行き止まりまで行き着く。ここが道の終わりだ。まるでチョコレートのようにひろがった溶岩が太平洋に流れ込んでおり、ハワイがまさに広がっている場所だ。このあたりの溶岩に車をとめ、足元をよく探してみると不思議な形をした小さな溶岩の粒を見つけることができる。火の女神ペレの金色がかった細い髪の毛のような岩、いわゆるペレの髪の毛 (Pele's hair)と、黒い涙のように固まった岩石、ペレの涙(Pele's tears)だ。同じ溶岩も温度によって全く違った姿をしているのはとても不思議で、一行はしゃがみこんで真剣にペレの髪の毛を探していた。

さらに溶岩が地中を貫いたサーストン溶岩トンネルを見物してから、ヒロハワイアンホテルに到着。長い初日でした。 DSC_0107
Posted at 12:28 by enoto | WriteBacks () | Edit