NPOサイエンスステーション
   −出前します、最先端の科学の授業−

■ サイエンスステーションblogが始まりました。
■ メンバーのみんなが二日にいっぺん交代で日記つけてます。
■ 科学に携わる大学生・大学院生たちの日常をのぞいてみてください。

May 28, 2005

原子も見える顕微鏡と手作り

はじめまして、yamazakiです。 最近は『走査プローブ顕微鏡』を用いた実験の準備をしています。 『走査プローブ顕微鏡』は簡単に言うととても高倍率な顕微鏡です。 どのくらい高倍率かというと、物質を構成する最小の要素である原子を直接見れるほどです。

原理は簡単です。
暗い道を歩いているときに、急に足場の悪いでこぼこした道(小石が敷き詰められた道など)になり、姿勢を崩した経験はありませんか?地面のでこぼこはそこを歩くことで知ることができます。
ここでつま先立ちすれば、さらに不安定になってしまいますが、より細かい地面のでこぼこを知ることができます。その延長で鋭くとがった針を履いて地面を歩いてみれば細かい砂やアスファルトにあいた細かい穴の存在も感じることができるでしょう。
原子レベルでとがった針(プローブ)で物質の表面をなぞる(走査する)することで物質表面の原子を見る顕微鏡が『走査プローブ顕微鏡』です。

『走査プローブ顕微鏡』の命である原子レベルでとがった針、これは手作りなんです。原子が見えるかどうかはこの針の良し悪しにかかっているので針作りには気合が入ります。昨日はこの針を9本作りました。この内出来のいい5本を『走査プローブ顕微鏡』のなかにインストールしました。原子が見えることを願うばかりです。
Posted at 12:54 by yamazaki | WriteBacks () | Edit

May 26, 2005

カフェ開店準備

昨日、カフェサイエンスステーションのカフェを演出するための、テーブルクロスを探しに出かけました。普通に買ったら6-8千円しちゃうかなぁ?日暮里の布問屋街に行こうか、でもその前にやっぱり百円ショップかなと思い、とりあえず大きい百円ショップを検索。すると、夕方からお仕事のために向かう赤羽に、ちょうどよく、6階に及ぶ巨大百円ショップがあることが判明。何か布あるかなぁ?と行ってみると、白地にチェックのテーブルクロスそのものを発見。色はグリーン・ブルー・イエロー・ピンクの4色。指定された机数・机の大きさを考え、15枚購入。持ち運べるかな?と心配していたものの、まったく問題なし! そして、今日。カフェオーナー(?)森さんにテーブルクロスとラブリー柄の紙ナプキンを引き渡しました。森さんは、遠くから大荷物と共にやってきてくれました。持っていたのは、カフェの立て看板として使う黒板。なんとも、おつかれさまです。他にもいろいろと購入品があるので、カフェにたくさんの方が足を運んでくれて、赤字が減るといいな。 カフェ サイエンスステーション一同、みなさまのお越しを、心よりお待ち申し上げております。
Posted at 14:06 by kanai | WriteBacks () | Edit

May 21, 2005

土曜日のキャンパス

土曜日のキャンパスは静かだが,人影が絶えるということはない.理系の学部生やら院生なら,土日に登校していることもそう珍しいことではない.特に時間のかかる実験に取り組んでいる人などは. 学内に大手コンビニチェーンの店舗が開店して少々新聞などでも取り上げられたこたこともあった.採算がとれるかどうかはよくわからないところではあるが,休日のキャンパスの住人としてみてはこれほど有り難いものはない. 休日をキャンパスで過ごすといっても,勿論ずっとという訳ではない.そして,そんなに悲壮感にあふれるといったものでもない.いろいろ試行錯誤していく中で,学生それぞれが自分に合った生活スタイルを見つけていくはずである
Posted at 12:33 by ootani | WriteBacks () | Edit

May 19, 2005

Astro-E2

nikoです。はじめまして。
ついに、報道公開されましたね。6月下旬に鹿児島県内之浦から打ち上げられます。簡単にAstro-E2を紹介すると、、、

Astro-E2衞星は、我が国で5番目のX線観測衞星である。約0.5-600 keVの広いエネルギー範囲の宇宙X線の観測を行ない、宇宙の高エネルギー物理現象を改名することを目的としている。Astro-E2衞星には3種類の検出器と5つの望遠鏡が登載され、総重量は1700kgにも及ぶ。また、伸展式光学ベンチが展開されたときには高さ6m以上という大型衞星である。

、、、って、私の修士論文冒頭を引用してみました。

修士課程では、3種類の検出器のうちの1つ、硬X線エネルギー(10-600kevの範囲)の観測を担う硬X線検出器(Hard X-ray Detector;HXD)の研究開発に関わっていました。超抵バックグラウンド化(→ノイズの混入をいろいろな工夫で防ぎ、天体からの微弱な信号もキャッチ!)を実現した検出器で、かつてない高い感度での観測を行ないます。自分自身が関わった検出器が宇宙に行くのは、やはり嬉しいですね。
Posted at 22:46 by niko | WriteBacks () | Edit

May 17, 2005

春ですね

lenaです。2回目です。

天文学専攻である私の研究室は三鷹市の国立天文台の敷地内にあります。
春はお花見、そして竹の子堀り、これからは梅の実がなって梅酒をつけることができます。
秋には銀杏も採れるます。 四季を身近に感じることのできる環境です。
そんな自然に囲まれた研究室です。
Posted at 21:41 by lena | WriteBacks () | Edit

May 15, 2005

プログラム書き(1)

utsumiです.2回目です.どうぞよろしくお願いします.

最近,プログラム書き(C言語)にはまっています.もともとプログラムなんてほとんど書いたことがなく,何となく読める程度でしかなかったので,この春の目標として「C言語特訓」をたてました.

そもそも,なぜ「プログラムを書きたい!」と思うようになったかと言うと,大学の友達が達者に書くことができて,彼はその自信作を見せてくれるのです.
たとえば波が伝わっていく様子や熱が伝わっていく様子を三次元でシミュレーションしたり,銀河の渦巻く様子をシミュレーションしたものがあります.・・・銀河の様子はうまくできていないみたいですけど笑
このプログラムたちを見ているうちに,大学で2年間学んだ「数式からイメージする物理」から「コンピュータで可視化して理解する物理」に変えたいと思うようになってくる訳です.

そんなモチベーションで始めたプログラム書き・・・なかなか前途多難でした.彼が見せてくれた「結果を魅せる」事自体は上級編みたいで,僕みたいな初心者には計算結果をファイルに保存すること自体が難しい訳です.
こんなありがたいサイトに書いてある初心者向けのセクションをひたすら打ってみて理解して,ようやく何となくわかってきました.そしてやっとの思いで完成させたのがあるデータベースサーバから出力される星のカタログを自分の使いたいフォーマットに変換し,保存するというプログラム.
きっとプログラムを書ける人たちには,「なにやってんだか」とか笑われるかもしれませんが,ぼくの中ではかなりの喜びです.だって,自分の設計した通りにコンピュータが働いてくれた訳ですから.

次は望遠鏡でとった画像処理をするプログラムに挑戦しようと思います.
Posted at 20:04 by utsumi | WriteBacks () | Edit

May 14, 2005

物理実験

私の通っている大学の物理実験の部屋は、一部屋に、実にいろいろな実験機器があります。「LCR回路の過渡特性と周波数特性」という、コンデンサーなどの回路素子や、オシロスコープを使う実験をしたのですが、隣では振り子の実験をしていたりと、なかなかおもしろい光景です。1つの部屋に5,6種類の実験が出来るようになっているので、自分のとは違う実験の様子も、いろいろと見れて面白いです。また、実験では大学院生がTAとしてサポートしてくれるので、院生とのコミュニケーションもとれます。実は、自分の大学の院生と話をする機会というのはなかなか無いのですが、授業を通して、実験の事だけでなく、研究室のお話なども聞いたりしています。
再来週に所属している物理学科の1大イベントがあり、私はその行事の幹事になってしまい、最近は事務的なことをたくさんしています(下のブログを書いたyonedaさんと同じような感じです)。その他にも、レポートや課題もたくさんありますが、なんとかこなしていきたいと思います。
Posted at 00:54 by maruyama | WriteBacks () | Edit

May 11, 2005

研究と事務的仕事

木星には、地球と同様に、いや、むしろ地球より活発なオーロラが存在します。 木星の紫外線や赤外線のオーロラは夜側にも昼間側にもあることがわかっています。 しかし、可視光では夜側にしか観測されていません。 「木星の昼間側には可視オーロラは存在しない?」あるいは、 「太陽の光に埋もれて観測されないだけ」の2つが考えられます。 このどちらが正しいのかをはっきりさせるべく、観測、解析を続けています。 一方で、来週は学内での発表を控えています。 重要だと思われる最近の論文を、紹介するための発表です。 さらに、東北大学地球物理学教室の名簿を作成する係に任命され、 各研究室に名簿の記入をお願いしに行ったり、印刷作業に追われたりしています。 いろんなことを並行せねばならない状態が続きそうです。
Posted at 20:48 by yoneda | WriteBacks () | Edit

May 09, 2005

すばる望遠鏡による観測データの解析

 先日すばる望遠鏡(*1)で観測したデータを、ここ何日かでゴリゴリ解析しています。このとき観測した天体は、おうし座方向にある生まれたてのお星さま。「生まれたて」と言っても、年齢は300万歳くらいなんですけどね。一般に年齢が100万歳前後の星の周りには、ガスやダスト(固体微粒子)が円盤状に存在していて、これらが将来惑星に成長すると考えられています(というわけでこの円盤を「原始惑星系円盤」と呼びます)。このときは、波長が10ミクロンくらいの中間赤外線という光(人間の目には見えない光です)で分光観測(*2)を行い、原始惑星系円盤中の物質の組成を探るというのが目的でした。
 生データから観測装置の感度ムラやら地球の大気の影響やらをできる限り除去する必要があり、作業はなかなか複雑で大変です。露出時間がたかだか数分のデータを処理するだけで、丸2日間もかかりました。とは言ってもまだ科学的に意味のあるデータにするための下準備が済んだだけで、このデータをこれからどう料理し、どう解釈するかが本当の勝負。結果が出るまではまだまだ時間がかかりそうですが、観測した天体がどんな素顔を見せてくれるのか、いまからとても楽しみです。

(*1) 日本が誇る光・赤外線用望遠鏡で、口径が8.2メートルもあります。観測の邪魔になる水蒸気が少なく、晴天率も良いハワイ・マウナケア山山頂にあります。標高が4200メートルもあるので、観測中は大変辛いです…。

(*2) プリズムのようなもので光を波長ごとに分解する観測手法のこと。基本的に物質は組成によって固有の波長の光を放出(場合によっては吸収)するため、天体からの光を分光することで、その天体にある物質の種類や性質を推定することが可能になります。
Posted at 11:49 by fujiwara | WriteBacks () | Edit